RTH中「Mavic 3 Classic」の正面に障害物があったら?RTH機能を徹底解説

RTH中「Mavic 3 Classic」の正面に障害物があったら?RTH機能を徹底解説

DJIドローン「Mavic 3 Classic」のRTH(Return-to-Home(リターントゥーホーム))に種類があるのをご存知でしょうか?
また、RTH中に障害物と直面した際、Mavic 3 Classicがどうなるのかご存知でしょうか?

本記事では、Mavic 3 ClassicのRTHの疑問を詳しく解説していきます。
RTHとは?という疑問から、その種類と設定方法、注意点を解説していきますので、ぜひご覧ください。

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RTH(リターントゥーホーム)とは?

RTH(Return-to-Home)とは、DJIドローンに搭載されている、ドローンの自動戻り機能です。
RTHを起動することで、ドローンは事前にGPSによって記録されたホームポイントへ自動帰還してくれます。

Mavic 3 ClassicのRTHは高精度着陸が実行され、地形の特徴を自動的にスキャンして照合、現在の地形がホームポイントの地形と合致した場合のみ機体は着陸します。地形が合致しなかった場合、DJI Flyアプリにプロンプトが表示されます。

この高精度着陸中には、スロットルスティックを下に倒して着陸を加速したり、操作スティックを任意の方向に動かして、高精度着陸を停止したりできます。

RTHの種類と設定方法

Mavic 3 ClassicのRTHには、以下の6種類があります。

  • スマートRTH
  • アドバンストRTH(スマートRTHの1種)
  • 直線RTH(スマートRTHの1種)
  • ローバッテリーRTH
  • フェールセーフRTH
  • オリジナルルートRTH(フェールセーフRTHの1種)

「スマートRTH」と使用方法

スマートRTHとは、十分に強いGPS信号を受信している場合に使用できるRTHです。
通常起動されるRTHは「スマートRTH」であり、スマートRTHには「アドバンストRTH」と「直線RTH」の2種類があります。

スマートRTHは、送信機のRTHボタン(以下画像左)、または「DJI Fly」アプリで表示されるRTHボタンをビープ音が鳴るまで長押しする(以下画像右)ことで起動できます。

また、再度送信機のRTHボタンを押す、または「DJI Fly」アプリのRTHボタンをタップすることでキャンセルできます。

「アドバンストRTH」と使用方法

アドバンストRTHとは、スマートRTH起動時に十分な明るさがあり、ビジョンシステムに適した場合に起動するRTHです。スマートRTH起動時、十分な明るさがあれば自動で起動します。

アドバンストRTHの起動手順は、以下の通りです。

  1. ホームポイントが記録されます。
  2. アドバンストRTHが起動します。
  3. Mavic 3 Classicはブレーキをかけ、その場でホバリングします。
    この際、機体がホームポイントから5m未満の場所にあれば、機体はすぐに着陸します。5m以上であれば、最適な帰還ルートを計画し、障害物やGEO区域を回避しながらホームポイントまで飛行します。
  4. ホームポイントに近づくと、電力と時間を節約するため、19度の角度でホームポイントまで飛行します。
  5. Mavic 3 Classicはホームポイントに到達すると、着陸してモーターを停止します。

「直線RTH」と使用方法

直線RTHとは、スマートRTH起動時に十分な明るさを確保できない場合に起動するRTHです。スマートRTH起動時、十分な明るさがなければ自動で起動します。

直線RTHの起動手順は、以下の通りです。

  1. ホームポイントが記録されます。
  2. 直線RTHが起動します。
  3. a) Mavic 3 Classicがホームポイントから50m以上の場合、Mavic 3 Classicは設定されたのRTHまで飛行し、向きを調整してホームポイントに向かいます。この際、事前設定の高度より高い場合、機体はそのままホームに向かいます。
    b) Mavic 3 Classicがホームポイントから5m以上50m以内の場合、Mavic 3 Classicは設定されたのRTHまで飛行し、向きを調整してホームポイントに向かいます。この際、高度が2m未満の場合は2mまで上昇します。
    c)Mavic 3 Classicがホームポイントから5m未満の場所にあれば、機体はすぐに着陸します。
  4. Mavic 3 Classicはホームポイントに到達すると、着陸してモーターを停止します。

「ローバッテリーRTH」と使用方法

ローバッテリーRTHは、バッテリー残量が最低レベルになると起動するRTHです。

バッテリー残量が低下すると、DJI Flyアプリが警告を表示します。警告表示の10秒後、何の操作も行わない場合は自動でローバッテリーRTHを起動、Mavic 3 Classicは自動でホームポイントに帰還します。

ローバッテリーRTHは、送信機のRTHボタンまたは飛行一時停止ボタンを押すことで、RTHはキャンセルできます。しかし、急にキャンセルするとMavic 3 Classicはバッテリー残量不足で安全に着陸できず、墜落するおそれがありますのでご注意ください。

また、今いる高度から下降するだけのバッテリー残量がある場合、Mavic 3 Classicは自動的にローバッテリーRTHを起動、着陸を開始します。この自動着陸はキャンセルできませんが、送信機を使用して着陸中の機体の方向は操作できます。

「フェールセーフRTH」と使用方法

フェールセーフRTHは、送信機の信号ロスト6秒を超えると自動で起動するRTHです。

十分明るく、ビジョンシステムが正常に作動していれば、機体は環境に応じた適切なルートでホームポイントへ戻ります。

明るさが不十分でビジョンシステムが利用できない場合、機体はオリジナルルートRTHを起動します。

オリジナルルートRTHの起動手順は、以下の通りです。

  1. Mavic 3 Classicはブレーキをかけ、その場でホバリングします。
  2. a) Mavic 3 Classicがホームポイントから50m以上の場合、向きを調整して元の飛行ルート上を50m戻るように飛行します。その後、直線RTHに切り替わります。
    b) Mavic 3 Classicがホームポイントから5m以上50m未満の場合、直線RTHに切り替わります。
    c)Mavic 3 Classicがホームポイントから5m未満の場所にあれば、機体はすぐに着陸します。
  3. Mavic 3 Classicはホームポイントに到達すると、着陸してモーターを停止します。
    ※途中で信号が回復しても直線RTHは起動し続けます。

RTH中の障害物回避

Mavic 3 Classicは、障害物センサーが全方位に搭載されており、RTH起動中の障害物は高度調整して自動回避します。

具体的には、飛行中の正面に障害物があれば自動で高度を上げて障害物を回避します。Mavic 3 Classicは全方位に障害物回避機能が搭載されているため、機能が正常に作動している、また強風や飛行物などの外的な要員がない限り、RTH中に墜落することはありません。

RTHの注意点

飛行前の高度設定

Mavic 3 Classicの飛行の前には、その都度適切なRTH高度を設定してください。

スマートRTHとローバッテリーRTHでは、機体は自動的に設定されたRTH高度まで上昇します。

この際、Mavic 3 Classicが50m以上の高度にあり、RTH高度に到達していない場合、スティックで上昇を止めることができます。この場合、Mavic 3 Classicはそのままの高度でホームポイントへ戻ります。

また、ファームウェアのアップデートをした場合、設定したRTH高度が初期設定に戻る場合もありますので、更新後はRTHの高度を再度確認してください。

RTH中の操作

送信機の信号が正常な場合、RTH中であっても機体の速度、高度、および向きは制御可能です。

ただし、飛行方向は制御できませんのでご注意ください。

また、RTH中も飛行禁止区域であるGEO区域の影響を受けますので、ご注意ください。

ドローンは高価です。万が一ドローンが壊れた時に備え、機体保険に加入することをおすすめします。

風速の影響

強風が吹いている中でMavic 3 ClassicでRTHを起動させても、風に煽られる可能性もあります。最悪の場合、ドローンが墜落してロストする可能性もあります。

Mavic 3 Classicの耐風性能は12m/sです。飛ばす前には、必ず風速を確認してからにしましょう。

以上、Mavic 3 ClassicのRTH機能について解説してきました。

RTHは便利な機能ですが、事前に正しい知識を持っていないと事故を起こす原因にもなります。RTHを正しく理解し、適切に使いこなしていきましょう。

また、Mavic 3 Classicは1年間無料の賠償責任保険(対人・対物保険)に加入できます。登録がまだの方は、万が一に備えて加入しておきましょう。

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