RTH中、Mavic Air 2の周りに障害物があったら?RTH機能を徹底解説

RTH中、Mavic Air 2の周りに障害物があったら?RTH機能を徹底解説

Mavic Air 2(マビック エアー 2)のRTH(Return-to-Home(リターントゥーホーム))に種類があるのをご存知でしょうか?

また、RTH中に障害物と直面した際、Mavic Air 2がどうなるのかご存知でしょうか?

本記事では、Mavic Air 2のRTHの疑問を詳しく解説していきます。
RTHとは?という疑問から、その種類と設定方法、注意点を解説していきますので、ぜひご覧ください。

RTH(リターントゥーホーム)とは

RTH(Return-to-Home)とは、DJIドローンに搭載されている、ドローンの自動戻り機能です。
RTHを起動することで、ドローンは事前にGPSによって記録されたホームポイントへ自動帰還してくれます。

Mavic Air 2のRTHでは高精度着陸が実行され、地形の特徴を自動的にスキャンして照合、現在の地形がホームポイントの地形と合致した場合のみ機体は着陸します。地形が合致しなかった場合、DJI Flyにプロンプトが表示されます。

この高精度着陸中には、スロットルスティックを下に倒して着陸を加速したり、操作スティックを任意の方向に動かして、高精度着陸を停止したりできます。

RTHの種類と設定方法

Mavic Air 2のRTHには、スマートRTH、ローバッテリーRTH、フェールセーフRTHの3種類があります。

「スマートRTH」と使用方法

スマートRTHとは、十分に強いGPS信号を受信している場合に使用できるRTHです。
通常、起動されるRTHは「スマートRTH」になります。

スマートRTHは、送信機のRTHボタン(以下画像左)、または「DJI Fly」アプリで表示されるRTHボタンをビープ音が鳴るまで長押しする(以下画像右)ことで起動できます。また、再度送信機のRTHボタンを押す、または「DJI Fly」アプリのRTHボタンをタップすることでキャンセルできます。

このスマートRTHには、直線RTHと省電力RTHの2種類があります。

直線RTHの手順は、以下の通りです。

  1. ホームポイントの記録
  2. スマートRTHを起動
  3. a)ホームポイントから20 m以上離れている場合、機体は向きを調整し事前設定したRTH高度まで上昇しホームポイントに向かう。現在の高度がRTH高度より高い場合、機体は現在の高度でホームポイントに向かう。
        b)ホームポイントから5m〜20mの距離にある場合、機体は向きを調整し現在の高度でホームポイントに飛行する。
        c)RTH手順開始時に、機体からホームポイントまでの距離が5m未満の場合、機体は速やかに着陸する。
  4. 機体はホームポイントに到達すると着陸し、モーターを停止する。

省電力RTHは、直線RTH中にホームポイントからの距離が遠すぎ、かつ高度が高すぎる場合に起動するRTHです。

省電力RTHは、自動的に起動され、機体は最適な距離と角度(水平方向16.7°)を計算し、ホームポイントに向けて飛行します。機体はホームポイントの上空50mに到達すると、着陸してモーターを停止します。

「ローバッテリーRTH」と使用方法

ローバッテリーRTHは、バッテリー残量が最低レベルに達することで起動するRTHです。

バッテリー残量が低下すると、「DJI Fly」アプリが警告を表示します。
警告表示の10秒後、何の操作も行わない場合、Mavic Air 2は自動でローバッテリーRTHを起動させ、ホームポイントに帰還します。

送信機のRTHボタンまたは飛行一時停止ボタンを押すことで、RTHはキャンセルできますが、急にキャンセルすると、Mavic Air 2はバッテリーの残量不足で安全に着陸できず、墜落するおそれがありますのでご注意ください。

また、今いる高度から下降するだけのバッテリー残量がある場合、Mavic Air 2は自動的にローバッテリーRTHを起動、着陸を開始します。
この自動着陸はキャンセルできませんが、送信機を使用して着陸中の機体の方向は操作できます。

「フェールセーフRTH」と使用方法

フェールセーフRTHは、送信機の信号ロストが11秒を超えると自動で起動するRTHです。機体は元の飛行ルート上を50m戻るように飛行し、その後直線RTHモードに移行します。

フェールセーフRTHは、以下画像の順で起動します。

ただし、ホームポイントが正しく記録されており、コンパスが正常に動作している場合でのみ起動します。

50 m飛行後の手順は、以下の通りです。

  1. もし機体がホームポイントから20m以内の場所にあれば、機体は現在の高度でホームポイントに向かう
  2. 機体がホームポイントから20m以上離れていて、現在の高度が事前設定のRTH高度より高い場合、機体は現在の高度でホームポイントに向かう。
  3. 機体がホームポイントから20m以上離れていて、現在の高度が事前設定のRTH高度より低い場合、機体は事前設定の高度まで上昇してからホームポイントに向かう。

RTH中の障害物回避

Mavic Air 2は、Mavic Miniと比べ、障害物センサーが前方・後方・下方と搭載されています。そのため、Mavic Air 2はRTH起動中の障害物を高度調整することで回避し、飛行します。

しかし、Mavic AIr 2は機体の左右と上方に障害物センサーが搭載されていないため、その方面の障害物を検知または回避することはできません。

DJIの上記機種Mavic 2では、障害物センサーが全方位に搭載されているため、障害物を高度調整することで回避します。

RTHの注意点

飛行前の高度設定

Mavic Air 2の飛行の前には、その都度適切なRTH高度を設定してください。

スマートRTHとローバッテリーRTHでは、機体は自動的に設定されたRTH高度まで上昇します。
この際、Mavic Air 2が20m以上の高度にあり、RTH高度に到達していない場合、スティックで上昇を止めることができます。この場合、Mavic Air 2はそのままの高度でホームポイントへ戻ります。

また、ファームウェアのアップデートをした場合、設定したRTH高度が初期設定に戻る場合もありますので、更新後はRTHの高度を再度確認してください。

RTH中の操作

送信機の信号が正常な場合、RTH中であっても機体の速度、高度、および向きは制御可能です。
ただし、飛行方向は制御できませんのでご注意ください。

また、RTH中も飛行禁止区域であるGEO区域の影響を受けますので、ご注意ください。

GPS信号

RTH中、GPS信号が弱い、または利用不可の場合、Mavic Air 2はホームポイントに戻れないことがありますので注意してください。

また、RTH起動後にGPS信号が弱くなる、または使用できなくなった場合、Mavic Air 2はしばらくホバリングしてから着陸を開始しますので注意してください。

万が一ドローンが壊れた時に備え、機体保険に加入することを推奨します。

以上、Mavic Air 2のRTH機能について解説してきました。

RTHは便利な機能ですが、事前に正しい知識を持っていないと事故を起こす原因にもなります。
RTHを正しく理解し、適切に使いこなしていきましょう。

また、Mavic Air 2は1年間無料の賠償責任保険(対人・対物保険)に加入できます。
登録がまだの方は、万が一に備えて加入しておきましょう。

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