2026年4月28日、Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:徳重 徹、以下:テラドローン)は、子会社のTerra Inspectioneeringを通じて、ウクライナにおいて固定翼型迎撃ドローンの開発・製造を行うディフェンステック企業 WinnyLab LLC社(以下:ウィニーラボ社) に対し、戦略的出資を実施することを発表しました。

本件は、テラドローンが先に実施したロケット型迎撃ドローン企業アメイジング・ドローンズ社への出資に続くものであり、迎撃ドローン領域における多層型防衛ポートフォリオ強化の一環です。
今回の出資により、テラドローンは近距離即応型の迎撃能力に加え、長距離・長時間対応が可能な固定翼型迎撃能力を新たに獲得し、多層型防衛システムの構築をさらに推進します。
背景:ドローン戦争の進化と多層防衛の必要性
現在、世界の安全保障環境において、Shahed等に代表される数百万円単位の自爆型ドローンによる大量かつ広域攻撃が、重要インフラや市民生活に対する深刻な脅威となっています。こうした比較的安価な脅威に対し、数億円単位の高額な迎撃ミサイルのみで対応し続けることには、防衛コストの観点から課題があり、持続可能な新たな迎撃システムの構築が国際社会における重要テーマとなっています。
現在、ウクライナ国内では、短距離迎撃に適したロケット型ドローン等で実績を持つ企業が数社存在する一方、より広域で早期の防衛を実現するためには、脅威を遠方で捕捉・無力化できるより安価で長距離飛行性能を備えたソリューションが不可欠となっています。
こうした「量の脅威」に対抗するため、防衛のあり方は、単一の高価な装備による防御から、複数の手段を組み合わせて「来る前に対処する」多層型防衛へと進化しています。その中で迎撃ドローンは、低コスト、高い機動性、分散配備への適性、継続的な改良・量産が可能といった特性を有しており、新たな防空インフラとして急速に導入が進んでいます。
テラドローンは、多層型防衛の早期実現に向けて、ドローンの能力向上、汎用技術の横展開、テラドローンのノウハウや提携パートナーの拡大など、多方面から検討を重ねています。
出資の目的
ウィニーラボ社は、通信妨害やGPS遮断が常態化する極めて過酷な実戦環境下において、長時間のパトロールと高速な精密迎撃を両立する、広域迎撃能力を備えた電動固定翼迎撃ドローンの開発に成功しています。
テラドローンは、当該出資を通じて、こうした技術を取り込み、テラドローンが構築する多層型防衛システムを拡充します。
新製品迎撃ドローン「Terra A2」の特徴
同社の電動固定翼迎撃機は、高度な航空力学設計と機体全体の最適化により、Shahedの一般的な速度水準とされる約200km/hを上回る最大312km/hで飛行し、75kmの広域カバー能力を有しています。さらに、バッテリー容量、推進効率、翼設計、空気抵抗低減などを総合的に設計することで、40分以上の飛行持続時間を実現しています。
また、本機はレーダーシステムとの連携運用を前提として設計されており、自機位置と目標位置を高精度に把握することで、飛来する脅威に対する迎撃精度の向上を図っています。これにより、広域監視から迅速な対処までを可能にする、実用性の高いソリューションとなっています。
固定翼型迎撃ドローンは、①広域での巡回・監視、②目標の早期発見・追尾、③継続的な迎撃対応、④接近前段階での脅威対処を可能とし、「来る前に対処する」防衛能力の中核を担います。

これにより、簡単な操作性で、空域の監視から標的の検知・追尾・無力化までを1機で完結させることが可能となり、短距離迎撃だけではカバーしきれない“広域防空レイヤー”を獲得することを意味します。
ロケット型との組み合わせによる多層防衛
テラドローンはすでに、ロケット型迎撃ドローン企業への出資と「Terra A1」を通じて、即応性の高い近接防衛能力の強化を進めています。
本件により、テラドローンは以下の二層構造を実現します。
- 固定翼型 Terra A2:前段防衛(広域監視、長時間哨戒、長距離迎撃、早期対処)
- ロケット型 Terra A1:最終防衛(高速発進、即時迎撃、近距離対応、拠点防護)

この2種類の迎撃アセットを組み合わせることで、脅威の距離・速度・侵入経路に応じた最適な迎撃手段を選択できるため、防衛体制の高度化が可能となります。
代表コメント
<テラドローン株式会社 代表取締役社長 徳重 徹>
「ウィニー・ラボ社の技術は、現代防衛における重要課題である「コストの非対称性」に対する有力な解決策です。固定翼型迎撃ドローンが持つ広域防衛能力と、当社のグローバル展開力を組み合わせることで、実戦で検証された信頼性ある技術を世界へ届け、国際社会の安全と安定に貢献してまいります。」
<ウィニー・ラボ社 CEO オルハ・ビハン氏>
「WinnyLabの技術を次の成長段階へと導くうえで、強力な国際的パートナーであるTerra Droneと提携できることを誇りに思います。
この提携により、実際の戦場における厳しい要求のもとで培われたウクライナの実践的なエンジニアリング経験と、Terra Droneが持つグローバルなビジョン、事業規模、そして展開力を組み合わせる機会を得ることができます。
私たちは、この協業を通じて、実証されたアイデアをより幅広く展開可能な信頼性の高い製品へと進化させ、急速に変化する安全保障環境の中で、より多くの人々を守るソリューションを届けられると信じています。」
今後の展開
今後、両技術の統合、量産体制の確立、および各国法規制に準拠した供給網の整備を進め、都市防衛、重要インフラ防護、国境監視・警備、各国防衛機関向け用途などの領域への展開を加速します。
迎撃ドローン市場が今後、短距離・中距離・長距離と用途別に高度化していく中、テラドローンは複数レイヤーを担うソリューションを構築し、低コストかつ持続可能な新しい防衛システムの実現を目指します。
また、日本、欧州、米国を含む各地域のパートナーと連携し、グローバルな防衛需要への対応を進めます。




