2022年10月31日、ドローン・ジャパン株式会社(以下:ドローン・ジャパン)と株式会社ブルーストーンリンクアンドサークル(以下:ブルーストーン)は、LTE通信を使用したドローン飛行を行う事業者・ユーザー向けに、上空LTE通信確認サービス「そらつながる(SORA TSUNAGARU)」(https://www.drone-j.com/soratsunagaru)を開始したことを発表しました。
背景
現在、ドローンの免許制度やレベル4飛行の実現に向かう中、今後ドローンの通信手段としてLTEを使用する機体が増加します。特に長距離物流や監視での目視外飛行を行う際には、事前に飛行する経路において、上空での通信が可能かどうか調査を行う必要があります。それら通信の安定性の担保として、従来の調査方法に比べ、総合的に通信状況を評価することが可能なサービスとして「そらつながる」を発表しました。
これまでの上空LTE確認方法
- 「測定器を用いた通信状況の把握」(各キャリアに依頼もしくはAESのようなサービスを活用)
受信した電波を計測し、通信強度・品質等から評価を行う方法です。その空間において通信状況を可視化しレポートできる点がメリットです。課題として、実機体の機器構成や通信モジュールと異なるため、大よその参考値としての把握は可能ですが、実状と異なる可能性があります。 - 「実機体による通信状況の把握」
実際に使用予定の機体を目視範囲内で飛行させ、通信状況を確認する方法です。機器構成も同じなため、実際に飛行させた時と同じ状況を再現・把握できるのがメリットです。課題として、その空間における通信環境が分からず、たまたま通信出来ていた可能性や、通信環境が悪い箇所を飛行させた際に通信がロストする危険性があります。(現状のドローンにおいてテレメトリーやFPV情報がLTE通信を採用している場合、直接波通信との冗長性が取れていないケースが主なためです。)
上記2つの方法により調査が行われてきましたが、これらは別々に実施もしくはどちらか一方のみ行われてきました。
今回のサービスによる上空LTE確認方法
「測定器を用いた通信状況の把握」 + 「実機体による通信状況の把握」
実機体に測定器を搭載し、同時に両方の通信状況について調査します。どちらか一方だけであると信憑性に欠ける点を補完し合うことで、総合的に通信状況について確認することができます。
また、機体は特別にLTE通信および直接波通信が可能な機体を使用することにより、LTE通信がロストした場合でも機体のテレメトリー通信が行えるためリスクを回避することができます。
以下画像は、機体写真です。下部に測定器が入ったケースを搭載しています。
レポートのイメージ図です。
動画レポートのイメージ図です。
サービス内容
- 飛行ルート案に基づいた調査個所の選定
- 代替ルートの提案(元ルートの通信環境が良くない可能性がある場合)
- 電波調査飛行の実施
- 結果レポートの提出(PDF、必要に応じ動画レポート)
諸条件:対応機種:ACSL社製(PF2、PF2-AE、AirTruck)※今後拡大予定
株式会社ACSLの営業担当者のコメントは、以下の通りです。
「これまで上空LTE通信の確認業務を実施するにあたり、実際に使用する機体も含めた通信確認サービスがなかったため、弊社の機体を使用されるお客様には有効なものになるのではないかと感じています。実例として、日本郵便株式会社様からの調査委託での活用において、調査結果をボックスなどで視覚的に捉えることができ、調査内容に関する前提知識がない関係者に対してもわかりやすく説明することができたと好評価をいただきました。」