ウガンダにて、Johnson&JohnsonがドローンでHIVの治療薬を届ける

ウガンダにて、Johnson&JohnsonがドローンでHIVの治療薬を届ける

アメリカ合衆国ニュージャージー州に本社を置く、製薬は医療機器、その他ヘルスケア関連製品を取り扱う多国籍企業Johnson&Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)は、ウガンダにて、ドローンを使用してHIVの治療薬を配送しています。

世界中の推定HIV患者は1,000万人と言われていますが、ウガンダには約150万人HIV患者がいます。特に84の島々から形成されるカランガラ地区では、毎年最大25%のHIV患者が増加しています。

84の島々からなるカランガラ地区ですが、医療施設があるのは7つの島にとどまります。そして、新型コロナウイルスの影響もあり、ただでさえ不足している医療施設の負担は深刻となっています。

カランガラ地区には、世界最大の熱帯湖であるビクトリア湖があります。ビクトリア湖のボートでの移動には多くの費用が掛かり、また予測不能な天候と潮流は移動の危険を伴うという問題があります。

Johnson&JohnsonのシニアサプライチェーンマネージャーであるRobert Kimbui(ロバート・キンブイ)氏は、次のように述べています。

「カランガラ地区の移動にはボートで島を行き来する必要があります。しかし、この移動には費用と危険を伴います。医療品の配送や患者の治療をする上で、この問題は大きな課題です。そこで私たちはドローンを使用することにしました。ドローンを効果的に使用することができれば、薬をスムーズに配送することができます。」

Johnson&Johnsonの使用する22ポンドのドローンでは、最大10ポンドのHIVの治療薬を配送できます。これらドローン1日に何度もカランガラ地区の島々を飛ぶことができ、現在では5つの島々にある20箇所にHIVの治療薬を配送しています。これは3,700人以上の住民に到達しています。

また、医療従事者はドローンから薬を受け取るだけではなく、帰りの便では治療を受けた村人の血液サンプルなどを輸送します。これにより、物理的に離れた場所から患者の情報を的確に知ることができます。

Johnson&Johnsonのこの試験的なプロジェクトは2021年4月に始まり、2022年4月まで行う予定です。1年間の運用で取れたデータを元に、医療アクセスの問題を解決するシステムを作り上げていくとのことです。

出典:Johnson&Johnson

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