Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)のmicroSDカードを購入する際「安くて容量の大きいものを買えばいい」と思ってはいませんか?
この買い物の仕方では、microSDカードを読み込まなかったり、処理速度が遅すぎるなどの問題が発生し、再購入することになります。
本記事では、問題の起きないおすすめのmicroSDカードとmicroSDカードの選び方について解説していきます。購入を検討中の方は、ぜひご覧ください。
任天堂の推奨するマイクロSDカードの規格
そもそもニンテンドースイッチmicroSDカードには、任天堂が推奨する規格が存在します。
URL:microSDカードについて | 任天堂公式ホームページ
要約すると、任天堂が推奨するmicroSDカードの規格は次の通りです。
- 最大記憶容量:micro SD/micro SDHC/micro SDXC
- スピードクラス:UHS-Iに対応
- 読み込み速度:60~95MB/秒(読み込み速度が速いほど、より快適に)
といっても、これでは意味が分からない方が多いかと思います。とりあえず規格に合うmicroSDカードは以下になります。64GB、128GB、256GB、512GBのおすすめは以下の通りです。
それでは、microSDカードの表記の意味と選び方について解説していきます。
microSDカードの表記の意味と選び方
最大記録容量
「最大記録容量」とは、microSDカードに記録(保存)できる最大データ量のことです。例えば、上記画像では、microSDカードの記録容量は2ヶ所から確認できます。
まずは、左側の大きな数字です。左側に「64GB」と記載があるため、最大記録容量64GBのmicroSDカードであることが分かります。
また、右側に「micro SDXC」の記載を確認できます。これは記録容量の規格で、他にも「micro SD」「micro SDHC」と種類があります(以下画像参照)。
それぞれの表記の意味は以下の通りで、これは最大記録容量の規格を示しています。
表記の内容 | 表記の意味 |
---|---|
micro SD | 最大保存容量:〜 2GB |
micro SDHC | 最大保存容量:4GB〜32GB |
micro SDXC | 最大保存容量:64GB〜2TB |
ニンテンドースイッチでは、上記3種類の最大記憶容量に対応しています。しかし、小さな容量のmicroSDカードを何枚も管理するのは大変なため、容量の大きいmicroSDカードを使用することをおすすめします。
転送速度
「転送速度」とは、データをデバイスなどに移す速さのことです。この速さが遅い場合、動画がカクついたり、低画質になったり、と次の処理までに時間が掛かります。
microSDカードのデータの転送速度は、上記の3つの場所から確認できます。
UHSスピードクラス
まず「UHSスピードクラス」は、右側にあるUの形の中の数字です。UHSスピードクラスとは、UHS(ウルトラハイスピード)と呼ばれるSDカードの転送速度の規格です。
上記画像の場合、「UHSスピードクラス」が「3」という意味になります。
現在UHSスピードクラスには、以下の2種類があります。
表記の内容 | 表記の意味 |
---|---|
U1 | 最低転送速度10MB/s |
U3 | 最低転送速度30MB/s |
購入するのであれば、転送速度の速いU3を選ぶようにしましょう。この2つの違いに関しては、以下の動画をご覧ください。
スピードクラス1(左側)が16枚の写真を撮影して保存している間に、スピードクラス3(右側)は30枚の写真を保存しています。これが動画の場合、スピードクラス1は転送速度が足りず、高画質で撮影した映像はカクつく、低画質になるという結果になります。
ちなみに、以下画像のように、○の中に数字(2/4/6/10)が表記されているmicroSDカードもあります。
これは古い規格のスピードクラスになります。
表記の内容 | 表記の意味 |
---|---|
② | 最低転送速度2MB/s |
④ | 最低転送速度4MB/s |
⑥ | 最低転送速度6MB/s |
⑩ | 最低転送速度10MB/s |
古い規格のスピードクラスは、どれもニンテンドースイッチや最近のデバイスにはそぐわない低性能であるため、購入は避けましょう。
ビデオスピードクラス
次に、右上側にある「ビデオスピードクラス」です。ビデオスピードクラスとは、SDカードの規格を決めているSDアソシエーションの方針で新たにできたスピードクラスです。
今後「UHS」からこちらに切り替わっていく予定ですが、現状では混在しています。そのため、「UHS」と「ビデオスピードクラス」が併記されていたり、片方だけしか表記がない場合もあります。
上記画像の左側の上には、「V30」という記載があります。これは最低転送速度30MB/sという意味です。つまり「UHSスピードクラス3(U3)」と同じ意味になります。
ビデオスピードクラスには、以下の5つの規格があります。
表記の内容 | 表記の意味 |
---|---|
V6 | 最低転送速度6MB/s |
V10 | 最低転送速度10MB/s |
V30 | 最低転送速度30MB/s |
V60 | 最低転送速度60MB/s |
V90 | 最低転送速度90MB/s |
ビデオスピードクラスは、数字が大きければ大きいほど、転送速度が速くなり、安定した撮影ができるようになります。しかし、V60やV90は市場にはほとんど出回っていません。
任天堂は60~95MB/sを推奨(とても快適に遊べる)していますので、現実的な選択肢はV30と記載されたものになります。V30の最低書き込み速度は30MB/sですが、最高書き込み速度は95MB/sにも到達し、十分に基準内の製品です。
UHS-Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ
最後に、右下側にある「UHS-Ⅰ / Ⅱ / Ⅲ」です。
「Ⅰ」「Ⅱ」「Ⅲ」の表記は、UHS規格対応を表しています。UHS規格とは、Ultra High Speed(ウルトラハイスピード)の略で、転送規格の1つです。
UHSの表記の内容と意味は以下の通りです。
表記の内容 | 表記の意味 |
---|---|
UHS-Ⅰ | 最大転送速度104MB/s (832Mbps) |
UHS-Ⅱ | 最大転送速度312MB/s (2496Mbps) |
UHS-Ⅲ | 最大転送速度624MB/s (4992Mbps) |
microSDカードの見た目も異なり、「Ⅰ」は裏側の端子が1列、「Ⅱ」は端子が2列になっています。最近では「Ⅲ」も出てきましたが、まだ「Ⅱ」でさえ市場にはあまり出回っていません。
スピードクラス同様、上位であればあるほどデータの転送速度が上がり、安定した撮影ができます。しかし、当分は「Ⅰ」しか選択肢がないのが現状です。
ニンテンドースイッチでは、UHS-Ⅰを推奨しています。UHS-ⅡのmicroSDカード自体は使用できますが、UHS-IIの性能で読み込むことはできないとのことです。
アプリケーションパフォーマンスクラス
アプリケーションパフォーマンスクラスとは、SDカード上のデータ編集などを含むアプリケーションを快適に利用するための規格です。
現在アプリケーションパフォーマンスクラスには、「A1」と「A2」の2種類があり、「A2」が新しい規格になります。
ランダムリード 最低処理速度 | ランダムライト 最低処理速度 | |
---|---|---|
A1 | 1500 IOPS | 500 IOPS |
A2 | 4000 IOPS | 2000 IOPS |
記憶装置(microSDカード)が記憶媒体(タブレット)にアクセスする際に、不連続に様々な位置からデータの読み書きをしていきます。この読み込みを「ランダムリード」、書き込みを「ランダムライト」と言います。
最近の電子機器は「A2」の規格にどんどん対応しています。ニンテンドースイッチでは、この規格の指定はありませんでしたが、購入する際は新しい規格である「A2」を選ぶようにしましょう。他の電子機器でmicroSDカードを使用することもあるかもしれません。
以上、ニンテンドースイッチのmicroSDカードの選び方について解説してきました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
- 最大記録容量はどれでもいいが、容量の大きいものを選ぶ
※1枚のカードで様々なゲームに対応できる - 「V30」表記の速度の速いものを選ぶ
※V60やV90が理想だが、市場にはあまり出回っていない - UHS-Ⅰを選ぶ
※UHS-IIでもいいが、性能は発揮されない
上記のポイントを意識して、失敗しないようにmicroSDカードを選びましょう。