2024年7月25日、北海道新十津川町(町長:谷口 秀樹)と、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下:エアロネクスト)、株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下:NEXT DELIVERY)、株式会社電通北海道(本社:北海道札幌市、代表取締役社長執行役員:木村 平、以下:電通北海道)は、新十津川町において、新スマート物流SkyHub®(※1 ※2)のサービスを開始するにあたり、SkyHub®サービスの拠点となるドローンデポ®(※3)の開所式を開催しました。
※1 新スマート物流とは、物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組みです。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指します。
※2 SkyHub®︎︎︎︎とは、ドローン配送が組み込まれた、オープンプラットフォームかつ標準化した仕組みで、ドローンデポ®︎を拠点に、各地域のニーズに合わせ、SkyHub®システムをベースにした配達代行、オンデマンド配送、医薬品配送、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送などのサービスを提供します。SkyHub®の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえます。
※3 ドローンデポ®とは、既存の陸上物流とドローン物流との接続点に設置される荷物の集積・配送の拠点であり倉庫で、荷物をドローン配送できる仕組みを持ちます。
新十津川町と各社は2024年1月に「ドローンのまちづくりに関する連携協定」を締結しており、国の「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を活用した「新十津川町ドローンプロジェクト」の一環として、ドローン配送と陸上輸送を組み合わせた新スマート物流SkyHub®を実装していきます。SkyHub®事業とドローン運航事業を行うエアロネクストの子会社、NEXT DELIVERYを主体に、町内の事業者と連携しながら、8月1日よりフードデリバリーサービス、買い物代行などのサービス等を展開していきます。
SkyHub®は、ドローン配送と陸上輸送を融合した新たな物流インフラを構築することで、地域課題の解決に貢献するもので、新十津川町は、社会実装フェーズに入った自治体としては全国で11番目となります。
本開所式では配送サービスの一つとして計画している、しんとつかわキャンプフィールドへの食材配送を、実際のドローン配送で使用する物流専用ドローンAirTruck(※4)を使用し、メディア公開デモフライトを実施しました。
※4 物流専用ドローン AirTruckとは、次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローンです。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®(※5)により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。日本では各地の実装地域や実証実験で飛行しトップクラスの飛行実績をもち、海外ではモンゴルで標高1300m、外気温-15℃という環境下の飛行実績があります(2023年11月)。
※5 機体構造設計技術4D GRAVITY®とは、飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術です。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理しています。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がります
以下写真は、SkyHub®サービスで使用するドローンと軽バンと共に、写真向かって左から2番目よりエアロネクスト代表取締役CEO / NEXT DELIVERY代表取締役 田路圭輔、新十津川町長 谷口秀樹、ドローンデポスタッフ(新十津川町農村環境改善センター みらいえ駐車場)です。
以下写真は、物流専用ドローンAirTruckがキャンプ場で荷物を置き配する様子(しんとつかわキャンプフィールド)です。
以下写真は、ドローンで配送されたBBQセットを受け取る町民ご家族(しんとつかわキャンプフィールド)の様子です。
配送サービスについて
フードデリバリーサービス(SkyHub®Eats)
新十津川町の提携飲食店のフードをドローン便あるいはおクルマ便にてお届けします。料金は配送料200円(税込)とサービス料(商品代金の10%程度)を想定しています。
地域の商店と連携した買物代行サービス(SkyHub® Delivery)
SkyHub® ECで買物した地域の商店やスーパーなどの商品が、希望日時に個宅に届く買物代行・配達代行サービスであり、地域の商店のDX化支援の取り組みでもある、ネットスーパーのサービスになります。
ドローン配送について
7月25日の報道関係者への公開では、計画している配送サービスのデモフライトとして、新十津川町 農村環境改善センター みらいえからしんとつかわキャンプフィールドまでの片道約5.16㎞を約11 分で、地域の商店「ヴルストよしだ」のソーセージ、「大畠精肉店」のジンギスカンなどをセットにしたBBQセットを、エアロネクストが物流用途に特化してゼロから開発した可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20kmの物流専用ドローンAirTruckを使用して配送しました。
以下写真は、今回ドローン配送した地域商店の食料品をセットにしたBBQセットとAirTruck専用箱の様子です。
ドローン配送されたBBQセットを受け取った町民ご家族の方からは、「地元の食材がドローンで受け取れることで、キャンプを楽しむ方にも喜んでもらえると思う。」「子連れだと買い物行くのも大変なので、こうやってドローンで届くと楽でありがたい。」という声が聞かれました。
ドローンによる配送は、今後8月1日より、しんとつかわキャンプフィールド利用客に向け、今回デモフライトしたルートで、食材等のドローン配送を実施する予定です。また、年度末までに順次ルートも増やし、フードデリバリー等でのドローン配送も開始していく予定です。
今後も、「ドローンのまちづくりに関する連携協定」に基づき、新十津川町、各社が相互に連携、協力し、新十津川町の課題や町民のニーズに沿って、ドローンを活用した持続可能な新たな物流網の構築と人材育成による新たな産業の創出など、幅広い分野で新十津川町における「ドローンのまちづくり」に取り組んでいく予定です。