岩手県岩泉町にて、ドローンによる新スマート物流の体制構築に向け共同配送の実証実験

岩手県岩泉町にて、ドローンによる新スマート物流の体制構築に向け共同配送の実証実験

岩手県(知事:達増 拓也)と、岩泉町(町長:中居 健一)、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下:エアロネクスト)、株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下:NEXT DELIVERY)、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下:セイノーHD)、岩泉ホールディングス株式会社(本社:岩手県下閉伊郡岩泉町、代表取締役社長:山下 欽也、以下:岩泉ホールディングス)、岩泉自動車運輸株式会社(本社:岩手県下閉伊郡岩泉町、代表取締役社長:八重樫  義一郎、以下:岩泉自動車運輸)は、2025年1月9日に、岩泉町において 令和6年度岩手県岩泉町における地域課題の解決に貢献する新スマート物流の体制構築に向けた実証実験を実施し、報道関係者に公開しました。

以下写真は、向かって左よりセイノーHD 事業推進部ラストワンマイル推進チーム新スマート物流推進プロジェクト課長 和田悟、岩泉ホールディングス常務取締役 佐々木康幸、岩泉町役場政策推進課長 佐々木真、岩手県科学・情報政策室室長 小笠原徳、エアロネクスト代表取締役CEO/NEXT DELIVERY代表取締役 田路圭輔、岩泉自動車運輸 代表取締役 八重樫義一郎です。

以下写真は、物流専用ドローン“AirTruck”に岩泉ヨーグルトや日本酒を入れた専用箱を搭載(旧安家小学校)です。

以下写真は、荷物を置き配して飛び去る物流専用ドローンAirTruck(松ケ沢公民館)です。

具体的には、NEXT DELIVERYと岩泉町に本社を構える岩泉ホールディングス、岩泉自動車運輸が連携して、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流(※1)SkyHub®(※2)の社会実装の検討に向けて行われたものです。

※1 新スマート物流とは、物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組みです。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指します。

※2 新スマート物流SkyHub®︎とは、エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存の陸上輸送とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流の仕組みです。ドローン配送が組み込まれた、オープンかつ標準化したプラットフォームで、ドローンデポ®︎を拠点に、車とドローンを配送手段として、SkyHub®︎TMSをベースに、SkyHub®︎Delivery(買物代行)、SkyHub®︎Eats(フードデリバリー)、SkyHub®Medical(医薬品配送)、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送など、地域の課題やニーズに合わせたサービスを展開、提供します。
SkyHub®︎の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流2024年問題に直面する物流業界において、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえます。

実証実験概要

背景と目的

岩泉町は総人口 8,013人(令和6年1月末現在)、面積は 99.23ha と本州一の広さの町であり、狭隘な山間地に基幹地区(昭和 31 年6町村合併前の旧村中心部)と小規模集落が点在しており、食料品アクセス困難人口の割合(2015 年時点)が県内で唯一 40%を超えており、全国的に見ても非常に高い水準(全国平均 24.6%)となっています。

町の中心部である岩泉地区から主な基幹地区のうち、安家地区(人口412 人、235世帯)までは急勾配が続き、車で40分(21.5km)、有芸地区(人口155人、89世帯)までは狭隘な道を車で35分(18.4km)かかるなど、買い物等の日常サービスの利用に不便が生じていることが課題となっています。

このような背景を受け、共同配送や買い物弱者対策による日常生活の利便性の確保、岩手県産業の生産性向上等に資する陸送×空送のハイブリッド輸送を検討し、持続可能な活力ある地域の実現を目指し、地域住民の理解度向上に資する実証実験を実施します。

実施内容

ドローンや共同配送管理システムなどのデジタル技術を活用した買い物弱者対策による日常生活の利便性の確保、岩手県産業の生産性向上等に資する取組を検討するとともに、社会実装モデルの体制構築に向けた実証実験を行い、買い物に関する課題と災害時の物資輸送に関する課題の解決に繋がるドローン配送の社会実装に向けた検証を行いました。

旧安家小学校まで届けられた岩泉ホールディングスの「岩泉ヨーグルト」と岩泉自動車運輸の宅配荷物(実証実験用)を混載してNEXT DELIVERYの運航するエアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruck(※3)に搭載し、松ケ沢公民館まで片道約4.2㎞を約10分でドローン配送しました。残りの荷物は陸送で配送場所までお届けしました。

※3 物流専用ドローン AirTruckとは、次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローンです。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®(※4)により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。日本では各地の実証地域や実証実験で飛行しトップクラスの飛行実績をもち、海外ではモンゴルで標高1300m、外気温-15℃という環境下の飛行実績があります(2023年11月)。最大飛行距離20km、ペイロード(最大可搬重量)5kgです。

※4 機体構造設計技術4D GRAVITY®とは、飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術です。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理しています。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がります。

ドローン配送で岩泉ヨーグルトや日本酒を受け取った中山さんは、「2016年の台風10号の時には半月ほど市街地と行き来ができないときがあった。こういうサービスがあると助かると思う」とコメントしています。

今後も地域住民への理解促進及び地域課題の解決へ向けドローンをはじめとする次世代高度技術を活用しドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けた検討を進めていくとのことです。※本実証実験は「令和6年度岩手県中山間地域におけるスマート物流等の社会実装に向けた運用体制整備・実証実験等業務」として採択されています。

安家地区の事業者へのドローン配送で岩泉自動車運輸と連携しています。

以下写真は、ドローン配送された岩泉ヨーグルトと日本酒を受け取る中山さん (松ケ沢公民館)の様子です。

出典:株式会社エアロネクスト

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