ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下:ブルーイノベーション)は、日本発の「物流用ドローンポートシステムの設備要件に関する国際標準規格ISO5491(以下:ISO5491)」が国際標準化機構ISOにおいて正式採択・発行されたのを受け、ISO5491が定めるドローンポートシステムの設備要件に準拠したドローンポート情報管理システム「BEPポート|VIS」を開発し、そのβ版の提供を物流や点検事業者、UTMサービスプロバイダー、ドローンポートおよびドローン機体メーカーなどに向けて8月1日より開始します。
これにより、国内外において個社別に進められていたドローン物流などにおけるドローンポートおよび関連システムの開発や運用実証、事業化検討などが国際標準規格下で行われるようになり、公共性の高い社会インフラとして期待されているレベル4での異機種・複数機のドローンを活用した目視外・全自動ドローン運航管理システム開発の加速が期待できます。
ドローンポート情報管理システム「BEPポート|VIS」とは
ドローンポートシステムは、ISO5491においてドローンポート、気象センサや侵入検知センサなどの周辺機器、それらの情報を統合管理するドローンポート情報管理システム(VIS:Vertiport Information System)を包含するものと定義されており、ドローンの格納および離発着場として離発着時の安全確保や雨風・気温などの周辺状況の把握、ドローンへの充電、荷物の受け渡しなどを行うと共に、それらの情報をリアルタイムに各連携システム・デバイスと共有し、運航管理者や利用者をはじめとした各種ステークホルダーに提供する重要な役割を担います。
ブルーイノベーションは、独自のデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform®(以下:BEP)」をベースに、ドローンポートやドローン、各種センサーなどの周辺機器のメーカー、機種を問わず接続、遠隔で統合管理・運用するドローンポート情報管理システム「BEPポート|VIS」を開発しました。
BEPポート|VISはISO5491に準拠した機能(下図)を実装しており、ドローンポートの稼働状況や各種センサーによるドローンポート周辺の安全確認などの各種情報を一元的かつリアルタイムに集約・管理し、他システムとも共有・連結することで、一連かつ複数のドローン運用オペレーションを安全に遂行させます。
※ドローン運用におけるBEPポート|VISの機能と役割(青字)
BEPポート|VIS 開発の背景と今後について
2022年12月5日の改正航空法施行にともなう「無人航空機の有人地帯での目視外飛行(レベル4)」の解禁を受け、全自動・目視外でのドローン運航実現に向けて様々なドローンポートやドローン機体、周辺機器・サービスの開発が進んでいます。
一方で、それらの開発や機能実装などが個別最適化で進んだ場合、特定のサービスやドローン機体でしかドローンポートが運用できなくなる恐れがあります。ドローンの社会実装のためにはハードのメーカーや種別を問わないシステムの拡張性と、サービス内容に合わせた運用の柔軟性が必要です。
ブルーイノベーションはその重要性にいち早く着目し、2017年より国土交通省とともにドローンポートシステムの研究開発および利活用を推進してきました。さらに、ISO/TC20/SC17 WG1のコンビーナおよびISO5491のプロジェクトリーダーを務め、経済産業省や国内外のエキスパートとともに日本発となるドローンポートシステムの国際標準化活動に取り組んできました。
そしてこの度、ISO5491の正式発行を受け、その要件に準拠したシステム「BEPポート|VIS」を開発、UTMプロバイダー、ドローンポートおよびドローン機体メーカー向けにβ版によるPoCサービスの提供を開始します。
今後、ブルーイノベーションは物流事業者や点検事業者、UTMサービスプロバイダー、ドローンポートメーカーなど共に物流や災害対策、点検、測量などさまざまな分野におけるドローン利活用を進め、社会課題の解決支援、安心安全な空のインフラ構築に貢献していくとのことです。
出典:ブルーイノベーション株式会社「世界初、国際標準規格ISO5491に準拠した ドローンポート情報管理システム「BEPポート|VIS」の β版提供を8月1日より開始」