2023年6月7日、自律飛行技術におけるグローバルリーダーである、米国のドローンメーカーのSkydio(読み:スカイディオ、本社:米国カリフォルニア州、日本代表:柿島 英和)は、国土交通省航空局より、無人航空機の飛行「カテゴリーII」で「無人航空機の飛行に関する許可・承認」(以下:同飛行許可)を得たことを発表しました。
同飛行許可の取得は、Skydioが日本国内で展開するすべてのドローン機体とその搭載ソフトウェア種類を対象とするもので、一部例外を除いた日本全国において、場所・時間を問わず運用規模を広げて、遠隔操作による目視外飛行を柔軟に行うことを可能にします。
日本では、慢性的な人手不足により、点検業務の効率化や生産性向上の対応が急務となっています。また、保守点検業務における現場ではしばしば危険が伴い、安全かつ慎重な作業が求められているため、昨今においてはこのような課題解決策としてドローン技術が注目されています。しかし、従来の飛行許可では、自然災害後におけるインフラ点検など急な点検を要したり、点検周期が定まらなかったりする場合におけるドローンの目視外飛行では、飛行中の機体の動態状況を確認する補助者(visual observer)の配置が義務付けられていたため、点検対象のインフラや現場状況によっては、補助者の配置に困難であり安全性へのリスクも伴っていました。点検対象の場所が特に危険を伴う際は補助者の設置も不可能な場合もあるため、遠隔操作による目視外飛行の実行自体の実施が困難であったり、補助者用の足場設置作業や目視外飛行実施場所を特定した飛行承認にも時間がかかったりしていました。そのため、ドローン技術の活用において期待されている点検業務の効率化、生産性向上、安全性向上が発揮されていませんでした。
同飛行許可の取得により、現場における補助者の配置の必要がなくなり、Skydioはより安全かつ柔軟に、遠隔操作での目視外飛行を実施することが可能になりました。同飛行許可によって承認された安全対策を実施することで、事前に国土交通省航空局が運用する「ドローン情報基盤システム」(DIPS 2.0)で飛行計画を通報するのみとなり、飛行手続きも合理化されました。
AIを活用した自律飛行技術を強みとするSkydioのドローンは、クラッシュリスクを最小限に抑え、360°全方位における障害物回避機能などを搭載しているため、従来のマニュアル操作のドローンでは困難、あるいは不可能だった近接距離で、あらゆる構造物の点検において安全に活用することができます。建物、道路、発電所、自然災害後の現場など重要なインフラの点検業務においても、今後は業務員の安全を担保しながら、より迅速な遠隔対応が可能になりました。さらに、今後は国内で展開するエンタープライズ向け製品の中でも特に、「Skydio Dock」(読み:スカイディオ ドック)と「Skydio Remote Ops」(読み:スカイディオ リモートオペレーションズ)が活用されることを期待しています。「Skydio Dock」は、過酷な屋外環境や複雑な屋内施設の環境下でも配置できるドローンポートで、操縦者一人のみで遠隔から安全なドローン飛行を実行することができます。また、遠隔制御ソフトウェア「Skydio Remote Ops」を利用することで、操縦者なしで完全な自律飛行を遠隔から実施することも可能です。
Skydioは今後も、国内におけるドローン技術を活用した業務全体の高度化・効率化・安全性向上への貢献を目指していくとのことです。高品質な製品を提供し続けるに加え、規制承認による価値創出を試むことでドローンの導入を促進すべく、引き続き顧客に対する支援強化に努めていくとのことです。