奈良市でドローンを使った荷物配送の実証実験を実施 – エアロネクスト等

奈良市でドローンを使った荷物配送の実証実験を実施 – エアロネクスト等

奈良市(市長:仲川げん)と、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下:エアロネクスト)、株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下:NEXT DELIVERY)、KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長: 博野 雅文、以下:KDDIスマートドローン)は、2023年2月22日に、奈良市としては初めて日本発の物流専用ドローンを使った荷物配送の実証実験を月ヶ瀬地区・柳生地区で実施しました。

本実証実験は、同日に奈良市とエアロネクストの2者が締結した、ドローンをはじめとする次世代高度技術の活用により、地域課題の解決と地域発展に貢献する新スマート物流*1の構築に向けた包括連携協定に基づく取り組みです。

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具体的には、セイノーホールディングス株式会社とエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流SkyHub®の社会実装の検討に向けて実施するもので、NEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが連携して実施しました。

以下写真は、向かって左より包括連携協定書を掲げる奈良市長 仲川げん、エアロネクスト代表取締役CEO / NEXTDELIVERY代表取締役 田路圭輔(月ヶ瀬ワーケーションルームONOONO)です。

以下写真は、月ヶ瀬を飛行する物流専用ドローンAirTruckです。

以下写真は、月ヶ瀬地区でドローン配送後に記念撮影の様子です。写真向かって左より、KDDIスマートドローン代表取締役社長 博野雅文、奈良市長 仲川げん、お鍋の食材等を受取り笑顔の西浦さん(地域住民)、エアロネクスト代表取締役CEO / NEXTDELIVERY代表取締役 田路圭輔(月ヶ瀬・石打駐車場)です。

実証実験概要

背景

今回実証実験の対象となる月ヶ瀬地区・柳生地区は、東部地域と称されるエリアです。東部地域は、奈良市の面積の約6割を占め、そのほとんどが山間部となっており、市街地と比べて少子高齢化・人口減少が進んでいます。また、生鮮食品や日用品の買物をするスーパーまでの距離が遠く、公共交通である路線バスの運行回数が減少するなど生活インフラが衰退しています。

そこで、物流の最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新しい物流システムの導入を図ることで、買物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組みづくりを民間企業と行政が協働して取り組み、地域課題の解決を図り、住みやすい地域の構築を目指します。

実施内容

今回の実証実験は、月ヶ瀬地区・柳生地区において、(仮称)共助型買物サービスと組み合わせ、利用者までのラストワンマイルをドローンにて配送しました。

月ヶ瀬地区では、仮設のドローンデポ®と設定した月ヶ瀬ワーケーションルームONOONOから、仮設のドローンスタンド®とした石打駐車場まで、片道約2.2kmの距離を約6分でエアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruckによってギョーザやお鍋の食材等が西浦さんのもとに届けられました。機体の制御には、KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とするスマートドローンツールズの運航管理システムを活用しました。

柳生地区では、仮設のドローンデポ®と設定した旧柳生中学校から、片道約1.1kmの距離を約3分で注文品が柳生町の個宅へ届けられました。ドローンで届けられた柳生名産の朴葉すしや生卵、お菓子等を自宅で受け取った竹本さんは「ドローンは環境に優しいので有意義だと思い申し込みました。高齢者も多い地区なので、早く実現できれば、安心して住み続けられるようになります。」とコメントしています。

以下写真は、実証実験に使用した日本発物流専用ドローンAirTruckです。

以下写真は、今回ドローン配送された朴葉すし等の様子です。

以下写真は、出発式に集まった月ヶ瀬住民らの様子です。

以下写真は、ドローンに荷物をセッティングする様子です。

実証実験による各社の役割

奈良市施策や企画の検討・フィールドの提供・地域住民及び関係機関との調整並びに周知活動
エアロネクスト物流専用ドローン機体準備
NEXT DELIVERY飛行オペレーション
KDDIスマートドローンドローン運航管理システムの提供・ドローンオペレーションの支援

会見要旨

奈良市・市長:仲川げんのコメント

「この月ヶ瀬地域は、人口1200人あまりと人口も小規模、かつ高齢化も進んでおり、急峻な地形により素晴らしい景観がある一方、平坦地が少なく移動には課題もあります。こういった様々な課題がある地域において、このような新しい技術とそして知恵を導入したチャレンジをできることは、大変うれしいことですし、この月ヶ瀬で生まれた様々なチャレンジが全国の同じような課題で悩んでいる中山間地域を励まし、そして盛り上げていく、きっかけになればと思います。今後の横展開については、まず奈良市東部の7地区を中心に、さらに、大和高原全域など、行政や県境を越えて、実際の住民の皆さんの生活圏域をどうすれば栄えさせていけるかという視点でも考えています。この元気のいい最先端の取り組み「最も古い町で、最も新しいチャレンジをする」というダイナミズムをぜひ実現していきたいと思っています。
まだ実証実験という段階でもありますので、今予定をしているものだけではなくて住民の皆さんから発案された「ドローンを使ってもっとこんなことをしたいな」というご提案もなるべく柔軟に対応して一緒に事業を盛り上げていきたいと思っています。例えばワーケーションルームであるONOONOに、ドローンデポを置いて、地域内外の方に出来立ての料理をお届けするなどできたらと考えています。」

エアロネクスト 代表取締役CEO/NEXTDELIVERY代表取締役:田路圭輔のコメント

「奈良市様は全体で見れば人口35万人が暮らす大都市ではありますが、今回実証実験させていただく東部地域は市街地と比べて少子高齢化・人口減少が進んでいて、日々の移動や買い物の課題があります。このような自治体様は全国にたくさん存在していて、その数は増加の一途をたどっています。奈良市様は東部地区の課題解決に非常に積極に取り組まれており、奈良市様と連携して今回実証するSkyHub®︎モデルをいち早く社会実装することで、同じ課題に悩む全国の自治体様の課題解決に繋がるものと考えています。」

KDDIスマートドローン・代表取締役社長:博野雅文のコメント

「KDDIスマートドローンは、モバイル通信を用いて、安心・安全な遠隔飛行・長距離飛行を実現するサービスを構築し、お客様や社会の課題解決に積極的に取り組んでいます。先端技術を活用し、奈良市が抱える生活インフラに関する課題を解決することで、より魅力ある、住みやすい街づくりに貢献していきたいと考えています。」

奈良市とエアロネクストの包括連携協定の内容

ドローンをはじめとする次世代高度技術を活用した活動の推進により、以下の事項において連携・協定する。

  • 観光・産業・経済の振興に関すること
  • 地域交通や物流が抱える課題の解決に関すること
  • 防災の充実、脱炭素化に向けた貢献に関すること
  • その他本協定の目的を達成するために必要な事項に関すること

今後も地域住民への理解促進及び地域課題の解決へ向けドローンをはじめとする次世代高度技術を活用しドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けた検討を進めていくとのことです。
※本実証実験は、一般社団法人環境普及機構により、令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金交付対象事業(社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業)として採択されています。

出典:株式会社エアロネクスト「奈良市でドローンを使った荷物配送の実証実験を実施~奈良市とエアロネクストが締結した、ドローンをはじめとする次世代高度技術の活用により、地域課題の解決と地域発展に貢献する新スマート物流の構築に向けた包括連携協定に基づく取組み~

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