2022年4月27日、「空飛ぶクルマ」および「物流ドローン」を開発する株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市、代表取締役CEO:福澤 知浩、以下:SkyDrive)は、型式証明審査の適用基準(Certification Basis)を「耐空性審査要領第 II 部(第61改正)」ベースで構築することについて、2022年3月に国土交通省航空局と合意したことを発表しました。
なお、審査対象は、型式証明申請中の2人乗り機体「SkyDrive式SD-05型機」(以下:SD-05)です。SkyDriveはこの機体で2025年の事業開始を目指しています。
型式証明について
型式証明とは、国土交通省が航空法に基づき、新たに開発された航空機について、その型式ごとに設計、構造、強度、性能などが所定の安全基準及び環境基準に適合していることを証明するものです。この証明のためには強度試験や飛行試験など、各種審査が行われます。
SkyDriveの開発する「空飛ぶクルマ」(eVTOL)は従来の航空機と異なる航空機であり前例がないため、諸外国と同様に審査基準や証明計画、証明方法などすべてのプロセスにおいて航空局と議論しながら推進する計画です。
耐空性審査要領第II部とは
耐空性審査要領第II部とは、乗客数が19名以下かつ最大離陸重量8,618kg(19,000ポンド)以下の固定翼機の耐空性要件を定めたもので、最新の第61改正は取り扱う機体の形状や搭載するシステムに自由度を持たせることが出来る最新の審査要領です。この審査要領には、航空機及び装備品の安全性を確保するための強度、構造及び性能についての基準が定められています。
空の移動革命に向けた官民協議会での空飛ぶクルマの安全基準に関する議論を踏まえ、SD-05の型式証明審査は同審査要領ベースに構築することで合意しました。米国のFederal Aviation Administration(FAA)や、欧州のEuropean Union Aviation Safety Agency(EASA)等の諸外国当局も、eVTOLの型式証明審査を耐空性審査要領第II部と同等の基準で進めています。
SkyDrive最高技術責任者のコメント
「国土交通省航空局には2021年10月に型式証明申請を受理していただき、その後は航空機を安全に開発する進め方、設計や試験の方法などの議論を重ねてまいりました。この度、SD-05の型式証明審査の適用基準を「耐空性審査要領第II部(第61改正)」ベースに構築していくことを航空局と合意し、型式証明取得に向けてまた一つ進んだことを嬉しく存じます。今後は、航空局とますます連携を深めながら、取得までの計画について議論を進めてまいります。」
SkyDriveはエアモビリティ社会の実現に向け、今後も支援をいただきながら「空飛ぶクルマ」の事業開始を目指していくとのことです。
出典:株式会社SkyDrive「SkyDriveが空飛ぶクルマ「SD-05」の適用基準を「耐空性審査要領第 II 部」ベースに構築することを国土交通省と合意 型式証明取得に向けて大きな一歩」