ドローン管制の風況データ提供などを実現するドップラーライダー開発のメトロウェザーへ出資

ドローン管制の風況データ提供などを実現するドップラーライダー開発のメトロウェザーへ出資

2022年4月15日、グローバル・ブレイン株式会社(以下:グローバル・ブレイン)が運営する、日揮みらい投資事業有限責任組合(以下:JGC MIRAI Innovation Fund)およびYMT-GB 投資事業有限責任組合(以下:KURONEKO Fund)は、ドローン管制の風況データ提供などを実現するドップラーライダーを開発するメトロウェザー株式会社(本社:京都府宇治市、以下:メトロウェザー)へ出資を実行したことを発表しました。

メトロウェザーは京都大学で約30年にわたり培われてきたリモートセンシング技術を基に2015年に設立された京大発のスタートアップであり、小型で高性能なドップラーライダーを開発しています。ドップラーライダーは赤外線レーザーを3次元スキャンしながら照射し、ターゲットからの散乱光を受信し、ドップラー効果を用いてその相対的な位置や移動速度を計測できるデバイスです。空気中の微粒子をターゲットとした場合は、半径約10kmの3次元位置における風向き・風速を把握することが可能です。

ドップラーライダーは、風力発電の風況把握、都市防災におけるゲリラ豪雨予測などの活用に加え、今後普及が見込まれるドローン管制の風況データ提供を実現する技術として期待されています。ドローンが飛行を許可されている対地高度150mの空域では、山や建造物などの影響を受け、大小様々な乱流が発生しており、場所による風況変化が大きい特徴があります。風に非常に弱い性質を持つドローンは、このような空域を飛行する上で航路上の空間的・時間的に高解像度な風況データが必要となります。こうした風況データは、従来の観測データでは解像度が十分でない課題があり、解決するソリューションとしてドップラーライダーが期待されています。

メトロウェザーのドップラーライダーの強みは、ノイズだらけの受信信号の中から必要なデータを取り出す技術であり、比較的小出力のレーザーでも遠距離の風況を観測することができます。この強みを活かし、国内外の競合企業と比較して、トップクラスの計測可能距離を誇ると同時に、装置の圧倒的小型化・低価格化を実現しています。同社はこの強みが評価され、国内の多くの大企業と共同実証実験の実績を誇り、また昨年からは、米国のNASAと共同実証実験プロジェクトも開始・継続しています。

グローバル・ブレインは世界的にも高い技術競合優位性や強力な市場ポジショニングを評価し、メトロウェザーへの投資を実行しました。ドップラーライダーを活用した事業領域において日本発のグローバルリーディングカンパニーへ成長できるポテンシャルを持つメトロウェザーを積極的に支援していくとのことです。

出典:メトロウェザー株式会社

ニュースの最新記事