現在、中国では日本の現状と同様に、若者がより良い機会を求めて都市へ行き、農村人口が減少・高齢化しています。
中国の統計局によると、農村人口は過去20年間で23%減少し、55歳以上の人口は農業労働力の3分の1を占めており、事態は想像以上に深刻です。
2020年5月27日、中国のドローンメーカーであるXAG社は、この問題を解決する田植えドローンを発表しました。XAG社によると、このドローンは人間よりも正確かつ迅速に田植えができるとのことです。
日本では田植え機による田植えが基本ですが、中国の一部地域では未だに手動で田植えをしている現状があります。
今回発表されたドローンは、これらの農家を救済するソリューションになります。
同社は広東省にある大規模な農業実験場にて、田植えドローンの実証試験を行いました。
まずは、5キログラムの稲の種子をドローンに積み込んでいきます。
そして、ドローンを使用して田んぼに稲の種子を撒いていきます。
同社によると、ドローンは1時間あたり50,000平方メートルの種子を植え、これは少なくとも50人分の労働力に値します。
また、このドローンの革新的な点は他の農業にも使用できるという点です。
田植えの際には、ジェットシードと呼ばれるデバイスをドローンの下側に取り付けることで、高速の気流が種子を表土に投射します。
実際、投射された種子は一定の間隔で正確に撒かれおり、芽吹いています。
ドローンは、アジア全土の小規模農家を自動化技術で救済する可能性があります。
加えて、ドローンは無人トラクターのように高コストの製品ではありません。
ドローン技術のさらなる進化、スマート農業の発展に向けた様々な取り組みに今後も注目が集まります。