DroneWikiドローン総合情報サイト

2022年にドローンの「免許」が誕生?政府が公表した新制度をチェック

2020.05.06

今年4月、政府は2022年に実現するとしているドローンの新制度を公表しました。そこで検討されているのは「機体認証」や「操縦ライセンス」など、今後のドローン所有や飛行のあり方を大きく変える内容です。初級者・上級者を問わずドローンに関わる人であれば、ぜひチェックしておきましょう。

官民が連携しドローン新制度の創設を目指す

「レベル4」実現のために政府も後押し

ドローンは趣味にとどまらず農業やインフラ、エンターテイメントなどさまざまな場面で活用されています。政府も「空の産業革命」というほど、ドローンに大きな期待を寄せています。

日本では2015年から行政と民間企業が本格的に連携し、ドローンの法律や規制などについて議論を重ねてきました。それが「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」です。

そして今年4月、本協議会からドローン利用のあり方を大きく変えるであろう「新制度」の枠組みが発表されました。この新制度は、日本におけるドローンの最も高度な活用段階の「レベル4」を安全に推し進めるために提案されたものです。

「レベル4」とは「有人地帯での補助者なし目視外飛行」をさし、たとえば人の目では確認しにくい街中の橋や建物などの点検や、高齢化が進む地方の市街地などでの警備といったシーンが想定されています。

機体認証は厳格に パイロットには「免許」の創設も

この新制度で注目されているのは、より安全な飛行を実現するための「機体認証」や「操縦ライセンス」の創設です。それぞれ簡単に説明します。

あらかじめ性能を検査する「機体認証」

現在の航空法では、空港周辺や150m以上の上空、人家の密集地域でドローンを飛ばすときは、国土交通省による申請と許可・承認が必要とされています。この申請では飛行の日時や目的を申告するだけでなく、機体の性能確認もおこないます。

しかし、今後ドローン人口はますます増えることを考えると、より効率の良い方法が求められます。新制度では飛行ごとに機体の性能などを審査するのではなく、自動車や航空機のようにあらかじめ機体の性能を厳格に検査し認証する制度が検討されています。

パイロットの技能を証明する「操縦ライセンス」

パイロットの技能についても、現在では飛行のたびに申告が必要です。新制度ではあらかじめ国がパイロットの技能を厳格に審査する「操縦ライセンス」を創設し、安全な飛行のできるパイロットであることを証明する仕組みが議論されています。

操縦ライセンスの発行には学科と実技試験が想定されており、実際の操縦だけではなく、その日の気象条件にあわせた臨機応変な運航管理も求められます。

まさに、自動車の運転免許証のような制度ができつつあるのです。

トイドローンには影響なし ライセンスには資格やスクールの活用も

新制度における機体認証や操縦ライセンスは200g以上のドローンとそのパイロットに適用されるものなので、200g未満であるトイドローンへの影響はありません。

では、ドローンを始めたばかりの人やトイドローンのみを使っている人には全く関係のない制度なのかというと、そうではありません。先ほど説明した操縦ライセンスには、民間の資格やスクールの活用も検討されているのです。

本格的に操縦ライセンスが導入されれば資格やスクールの形も変わっていくと考えられるものの、すでに受講した講習などがあればその経験が活きる可能性もあります。

さらにいえば、いままさにドローンの法律や規制全体が見直されている段階といえます。今後ドローン人口が増えていけば、トイドローンに関する規制が設けられる可能性も決してゼロではないのです。

アプリで飛行中のリアルタイム情報を提供 DJIが開発中

海外ではスマートフォンアプリを活用したリアルタイムな情報管理が注目されています。

世界最大のドローンメーカー・DJIが開発中の「Drone-To-Phone」というサービスで、ドローンのシリアルナンバーや飛行経路、高度、速度、方向、さらにはパイロットの位置情報などがアプリ上に表示されるというものです。

2019年11月にカナダで開催されたドローンの国際会議「ドローンイネーブル3」で発表され、今年2月にはDJIのYouTubeチャンネルにてサービスの紹介動画が公開されています。

 

アプリでドローンの飛行経路がわかれば、目視を超える距離でもドローンの位置がわかるので、より安全な飛行が可能になります。また、パイロット以外の人もアプリを利用することで、付近を通るドローンの存在を把握できるのです。

このサービスのリリース時期は未定であるものの、このようなソフトウェア開発事情も各国のドローン施策に少なからず影響を与えると考えられます。

 

日本では2015年に航空法が改正され飛行ルールが設けられましたが、ドローン人口が増えるにつれ、事故件数や所有者不明のまま放置される機体数が増えているのが現状です。

ドローンの普及にともない、所有者にはより安全な管理や操縦が、国全体としては法律や規制などの整備が求められています。まだまだ発展途上の領域であるため、ドローンをとりまく環境は日々変わり続けるでしょう。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

このエントリーをはてなブックマークに追加