無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」にてドローンによる係船作業の自動化を実証 – A.L.I.

無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」にてドローンによる係船作業の自動化を実証 – A.L.I.

2022年1月26日、株式会社A.L.I. Technologies(本社:東京都港区、代表取締役社長:片野大輔、以下:A.L.I.)は、2020年1月に日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環として、2022年1月に株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下:商船三井)と共に、世界で初となる商業運航コンテナ船を用いた無人運航の実証実験の中で、ドローンを活用することで、従来は人の手で行われてきた係船作業を自動化するシステムの確立に成功したことを発表しました。

近年、内航海運業界では、船員不足の常態化・船員高年齢化が深刻な問題となっています。このような課題を解決するために、船員の方の労働負担を軽減し、またヒューマンエラーによる海難事故を防ぎ安全運航のさらなる向上を実現する仕組みづくりが求められています。

2020年に「MEGURI2040」プロジェクトが開始されて以降、A.L.I.は商船三井が代表を務めるコンソーシアムにおいて、各企業と連携し無人運航船の実現に向けて各種要素の実証実験に取り組んでまいりました。A.L.I.が培ってきたドローンの開発技術、運航管理システムを提供し、実証航海において係船作業の自動化に成功しました。

A.L.I.が取り組む無人運航船プロジェクトの特徴

「MEGURI2040」の中でも、当コンソーシアムが取り組む無人運航船プロジェクトは以下の2点が特徴です。

  1. 「内航コンテナ船」と「内航フェリー」という特徴の異なる2隻で実験を行い、両船型の相違点や共通点を明らかにすることで、汎用性のある技術開発に繋げること。
  2. 係船作業の自動化を目指して、UAV(ドローン)を用いた係船実験を行うこと。

このコンソーシアムの取り組みにおける特徴のひとつが「係船作業の自動化」です。通常の着船作業では、乗組員が係留ロープを投てきし、岸壁にいる作業員へ渡します。本実証では、A.L.I.が独自に開発した自律飛行ドローンが、係留ロープをつかんだ状態で船上から飛び立ち、港側の係留柱へセッティングし係船を完遂します。その後、ドローンは係留ロープを切り離し再び同船に戻ってくるという、一連の係船作業の自動化に成功しました。

今回の実証結果を踏まえて、今後は「係船作業の自動化」のみならず、A.L.I.独自のドローン開発技術・運航管理システムを多方面から活用し、自動運航の技術構築に貢献していくとのことです。

コンソーシアムメンバーおよび主要役割

会社名主要役割
株式会社A.L.I. Technologies全体コーディネーション、リスク評価
三井E&S造船株式会社「判断」「操作」機能の開発
(避航操船、港内操船、離着桟操船の自動化)
古野電気株式会社「認知」機能の開発
(認知センサー統合、離着桟支援センサー)
井本船舶株式会社実証船・船員提供、運航計画作成
株式会社A.L.I. Technologies 係船支援技術の開発
(ドローンを用いたヒービングラインの岸壁投下)
商船三井フェリー株式会社実証船・船員提供、運航計画作成
MOLマリン&エンジニアリング株式会社 自動避航操船・自動港内操船・自動離着桟のシミュレーション作成

出典:株式会社A.L.I. Technologies

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