かつて、ドローン業界第3位の3D Robotics社を代表するドローンといえば『Solo(ソロ)』です。
3D Robotics社はアメリカ合衆国の会社で、CEOのクリス・アンダーソンはドローンブームの発端の人物です。
そんな会社の作ったドローンSoloですが、結論から言うと失敗でした。
そして現在、3D Robotics社はドローンを作るハードの会社ではなく、ソフトを作成する会社となりました。失敗には終わりましたが、今一度Soloを見ていきましょう。
Solo(ソロ)とは?
Soloとは、3D Robotics社を代表するドローンです。
DJIのPhantomシリーズなどとは対照的な真っ黒なボディデザインのドローンになります。
本体のカメラにはGoProのスポーツカム『HERO』シリーズなどを取り付けられるようになっています。
3D Roboticsの狙っている市場はBtoBです。
DJIがBtoC市場を席巻した事による、販売戦略のシフトと言えるでしょう。
その為、Soloは一般向けのドローンではなく、測量用カメラ、赤外線カメラ、センサーなどを搭載して、測量、点検、精密農業といった分野で活躍するドローンになっています。
基本スペック
Soloのスペックは以下の通りです。
最大飛行時間 | 25分 |
---|---|
最大速度 | 88km/時 |
最大高度 | 400フィート |
重量 | 1500グラム |
コントローラー用バッテリー | 4時間 |
その他、コントローラーにもディスプレイが搭載されており、本体には完全自動飛行制御ソフトウェアが搭載されていたりもします。
Soloの長所・特徴
①低価格な本体
Soloの本体価格は999ドルです。
この999ドルには、本体、コントローラー、そしてユニークな30日間の満足度返金保障が含まれます。
つまり、この状態にはカメラはついてきません。
高度なカメラ安定用のジンバルと、GoPro用の独自のコントローラーが付属したタイプは1,399ドルです。
②セットしたGoProを自由に操作
GoProをセットして用いるのが、Soloのポピュラーな使い方です。
本体とカメラが全くの別物なので、操作性悪いんじゃないの?と心配する声があると思います。
しかし、そんな心配は無用です。送信機やアプリから、GoProのカメラを自由にコントロール可能です。
また、その映像はモニターやFPVゴーグルへHDMIですぐに送れます。
③二つの頭脳
Soloの注目すべきイノベーションは、コントローラーに搭載されたCPUです。
本体に埋め込まれたLinuxベースシステムとは別にコントローラーにもCPUが埋め込まれています。
その結果、ドローン本体とジンバルの両方の自動化が可能になりました。
コントローラーの正面に、フライボタン、ホームボタン、ポーズボタン(その場で空中停止)があります。
この操作ボタンのお陰で、初心者でもすぐに操縦が上達します。
その他にも、コントローラーで操縦する幅が広いのがSolo最大の特徴と言えるでしょう。
Solo発売後の3D Robotics社
Soloを発売してから一年足らず、3D Robotics社は6万台以上在庫をかかえていました。
業績不振に伴い、サンディエゴ事務所とティファナ工場を閉鎖しました。
何が問題だったのでしょうか?
この当時3D Robotics社は、DJIと違う産業向けの市場をSoloが埋め尽くす予想をし、発売をしました。
しかし、GPSシステムが正しく接続されない問題やカメラの安定装置の生産遅延、アドオンなし販売されたため写真やビデオには適さなかったetcの問題が発売当初に多発しました。
結果、このような状況になりました。
そして、クリス・アンダーソンは「我々は、Soloはもう生産しないし、ほかのドローンも作っていない。ハードウェアを作っている他社のアイディアは素晴らしいし、我々はソフトウェアとサービスの面に注力する。また、我々はシリコンバレーの企業でソフトウェアをやっており、ハードウェアは中国企業がやっている。」と発言するに至りました。
以降、3DRはハードの販売をしておりません。