2025年5月20日、株式会社ドローンショー・ジャパン(本社:石川県金沢市、代表取締役:山本雄貴)は、ドローンによる飛行・発光演出と花火の打ち上げを、音楽と同期させて制御する技術「演出パターン生成装置、演出パターン生成方法及び演出パターン生成プログラム」において、特許第7538562号を取得したことを発表しました。

本特許は、音楽のリズムやテンポといった特徴をもとに、ドローンの動き、発光、花火の打ち上げといった各演出要素を動的に取得・生成する制御システムに関するもので、従来のマニュアル演出を大きく変える自動化技術です。さらに、本技術を通じて生成された演出の「観客体験価値」を数値化し、それをもとに広告主へ請求を行う仕組みも構成要素として含まれており、演出技術とビジネスモデルを一体化した新たな知的財産となっています。
特許情報
- 発明の名称
演出パターン生成装置、演出パターン生成方法及び演出パターン生成プログラム - 特許番号
特許第7538562号(P7538562) - 登録日
2024年8月14日 - 発行日
2024年8月22日(2024.8.22) - 特許詳細
<特許情報プラットフォーム>
URL:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7538562/15/ja
特許技術の概要
特許第7538562号「演出パターン生成装置、演出パターン生成方法及び演出パターン生成プログラム」は、音楽や音響の音情報を解析し、その特徴に応じて、ドローンの飛行パターン、発光パターン、そして花火の打ち上げ内容を自動的に取得・構成する技術です。
具体的には、以下の技術要素を含みます。
- 音の特徴(周波数、リズム、テンポ、ビートなど)を分析し、それに対応する飛行パターン、発光パターン、花火の打ち上げパターンを自動的に生成
- イベント会場と飛行体の位置関係を特定し、観客から最適に見えるよう発光部の向きや光の出射方向を設定
- 音楽の時間経過に従って変化する特徴に合わせ、複数のパターンを組み合わせて連続的な演出を生成
- パターン情報のデータベース化と、音の特徴との対応付けによる自動演出生成
演出パターンは記憶部に登録された複数の動作パターン群から、音楽の内容に対応する形で選定・生成され、統一された演出として空間上に表現されます。また、演出時の観客との空間関係(会場内での位置関係)をもとに、発光方向を調整する仕組みも備えており、視認性と没入感を高めることができます。また、イベントごとに異なる演出をより効率的かつ、音楽と連動した魅力的な空間演出が可能になります。
広告価値の可視化と収益モデルの構築
本特許は、演出そのものの制御技術に加え、演出が持つ観客体験価値を数値的に評価し、広告主への請求に結びつける「演出×ビジネスモデル」の仕組みもカバーしています。
具体的には、イベント会場の来場者や、配信映像を通じた視聴者に対して、それぞれ異なる得点を付与し、その合計スコアをもとに広告価値(請求額)を推定。あらかじめ設定された単価レートに基づき、広告主への請求が可能となる構成です。
このように、本特許では演出だけでなく、その「成果(視聴者数)」を収益に直結させる機構を内包することで、エンターテインメント領域における空間演出の経済的価値を明示的に活用でき、新たな収益機会をもたらします。
弁理士法人白坂・白坂 一 弁理士コメント
「弁理士法人白坂が出願代理した、本発明の「演出パターン生成装置」に関する特許出願は、特許庁により拒絶理由通知をうけることなく、一発登録されました。
この特許は、飛行体の動き・発光に加えて、花火の打ち上げ内容と音とを連動させて演出する唯一無二の技術であり、権利として成立しました。
この権利は、ドローン・ショー・ジャパンが独自に保有するものです。
本特許の技術内容を無断使用することはできませんが、ライセンスの許諾などは今後検討していく所存です。
これからのドローン・ショー・ジャパンの技術発展をお楽しみいただければと思います。」