群馬県安中市で新スマート物流の構築に向けたドローン配送の実証実験を実施

群馬県安中市で新スマート物流の構築に向けたドローン配送の実証実験を実施

安中市(市長:岩井 均)と、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下:セイノーHD)、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下:エアロネクスト)は、2023年2月8日に、安中市内の複数地域において、10年後、20年後の未来を見据えた地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けたドローン配送の実証実験を実施しました。

本実証実験は、2022年10月4日に安中市、セイノーHD、エアロネクストの3者が締結した、ドローンを含む次世代高度技術活用により地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けた包括連携協定に基づく第一弾であり、国土交通省の「CO2削減に資する無人航空機等を活用した配送実用化推進調査事業」を活用した取り組みです。

具体的には、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流SkyHub®の社会実装に向けて実施するもので、地域自主組織や地元事業者と連携し、買物弱者、医療弱者等の社会課題の解決のための様々な用途活用やビジネス採算性の検討を目的に、貨客混載やオンライン診療を組み込みながら、小学校、ゴルフ場、病院の3カ所を結ぶ複数ルートを農産物、フード、処方薬等、常時積み荷を空にすることない一連のチェーンドローン配送飛行(全てのルートがレベル3飛行)を実施しました。

以下写真は、向かって左よりセイノーHD執行役員河合秀治、安中市長岩井均、エアロネクスト代表取締役CEO田路圭輔です。

以下写真は、ドローン配送で届いた新鮮な農産物と新幹線で届いたアンコウで調理されたアンコウのカラ揚げ弁当とドローンです。

以下写真は、THE RAYSUMのクラブハウス前からアンコウのカラ揚げ弁当を載せて離陸する物流専用ドローンAirTruckです。

以下写真は、オンライン診療を受ける3名の患者のうちの1名、鈴木美智恵さん(仮ドローンデポ:旧九十九小学校)です。

以下写真は、オンライン診療後ドローン配送で届いた処方薬と焼き芋を受け取る鈴木美智恵さん(仮ドローンデポ:旧九十九小学校)です。

以下写真は、ドローンの着陸を見守る近所の保育園児たち(仮ドローンデポ:旧九十九小学校グラウンド)です。

実証実験概要

背景と目的

安中市は、人口は平成12年(2000年)の64,893人をピークに減少し続け、現在55,163人(2023年1月末日現在)で、少子化が進む一方、高齢化率も年々増加をしており、地区によっては6割から7割が高齢者という地区もあります。市内には人口集中地区(DID地区)がないのも特徴で、市街地に人口が集中することなく、低密度に拡散した都市構造になっています。

また、公共交通としては乗合バス・乗合タクシー等が運行されていますが、利用客が年々減少しており、公的負担が増加している現状で、高齢化が進む地域やバス路線がない地域に住んでいる人の日常の買い物や通院などの生活利便性の維持のためにも交通手段は課題となっています。

そこで、物流の最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新スマート物流システムの導入により、買い物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組みをつくり、課題の解決を目指す実証実験に、民間企業と行政が協働して取り組んでいくとのことです。

実施内容

地域自主組織や地元事業者と連携し、地元住民に小学校、ゴルフ場、病院間をドローン飛行で経由させ、農産物、フード、処方薬等を各場所でお届けしました。常時積み荷を空にすることのない運用、新幹線を活用した貨客混載、オンライン診療からの3名分の処方薬と買物代行の商品の混載や、届いた農産物を活用して調理したお弁当をドローン配送しすぐに商品として店頭陳列する、産直品の集荷・加工・納品・販売の連携など、今までにない複数の試みを実施しました。

以下写真は、実証実験に使用された日本発物流専用ドローンAirTruckです。

旧九十九小学校を物流サービスの拠点であるドローンデポ®(仮設)とし、ドローン離着陸の起点終点とし、以下のように3つのドローン配送を一連のチェーンで実施しました。

  • 旧九十九小学校(仮設ドローンデポ®)→THE RAYSUM(片道9.1km 約20分)地元農家の野菜をデリバリー。届いた野菜、アンコウ(糸魚川から新幹線で届いた(手荷物)もの)を使ってレストランでシェフがお弁当を調理。
  • THE RAYSUM→碓氷病院(片道6.6km 約15分) 調理されたお弁当をデリバリーし、近くのJAファーマーズまで電動自転車で運び店頭に商品として陳列。
  • 碓氷病院→旧九十九小学校(仮設ドローンデポ®) (片道4.7km 約11分) あらかじめオンライン診療と門前薬局の3つの薬局によりオンライン服薬指導を受けてもらった碓氷病院の実際の3名の患者にそれぞれの処方薬と、買物代行を想定したJAファーマーズからの食料品日用品を混載してデリバリー。(ドローンによる医薬品配送のガイドラインを遵守したうえで、実際の各患者様への処方薬をデリバリーします。)

ドローンで配送された処方薬と買物代行の焼き芋を受け取った鈴木美智恵さんは、「最近はガソリン代も高くなり、年を取ると運転も難しいのでありがたい。今後実用化したらぜひ薬も買い物もお願いしたい。」とコメントしています。

本実証後、まずは旧松井田町における新スマート物流SkyHub®の今年度の実装を推進します。今後、市の課題や市民のニーズに沿って、ドローンを含む次世代高度技術の活用により、安中市における地域の課題解決と活性化に寄与していくとのことです。そして安中市より群馬県へ日本へ世界へ未来の地域モデルを発信していくとのことです。

出典:株式会社エアロネクスト「群馬県安中市で地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けた ドローン配送の実証実験を実施~10年後、20年後の未来を見据え、小学校、ゴルフ場、病院の3カ所を結ぶ全3ルートをレベル3飛行で農作物、フード、処方薬等常時積み荷を空にすることない一連のチェーンドローン配送を実現~

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