福岡県宗像市にて、ドローン物流配送実験を実施 – トルビズオン

福岡県宗像市にて、ドローン物流配送実験を実施 – トルビズオン

2022年3月6日、上空シェアリングサービス「sora:share(ソラシェア)」を運営する株式会社トルビズオン(本社:福岡県福岡市、代表取締役:増本衛 以下 トルビズオン)は、福岡県宗像市(市長:伊豆美沙子)と共同で、イオン九州株式会社の協力のもと、ドローンを用いた物流配送実証実験を実施しました。

実証実験の背景

ドローンが生活の一部として運用されることを想定し、今回の実証実験を通じて特に住宅地における住民の方への「ドローンの実用性」と「今後の運送インフラとしての可能性」の理解と周知を行うことを目的に実証実験の実施に至りました。

宗像市自由ヶ丘地区は、住宅地で坂道も多く、高齢者数(65歳以上)も継続的に増加する推計が出ています。特に日常生活必需品を買える商業施設(スーパーマーケットやコンビニエンスストア)は、主要幹線道路から離れた区域となる自由ヶ丘地区において、スーパーが不⾜している圏域をコンビニ圏域でカバーしきれているとはいえない状況があり、これからの社会生活における課題を抱えています。

今回の実証実験は、令和3年10月宗像市が実証実験を行った移動販売車による「ショップモビリティ事業」から、さらに「サービスが人の近くに移動してくる社会」実現のために深化し、スーパーやコンビニ商圏をドローン輸送によって補完・拡大する「エアショップモビリティ事業」としての実証と、国道の近くにドローンの離発着ポートを置くことによる将来的な配送拠点機能となる可能性を評価し、事業の普及推進のために実施しました。

実証実験の概要

将来的なドローン配送を見据え、住民から店舗に商品の注文、店舗からドローンの離陸地点への物品輸送、そして自律飛行ドローン(レベル2:補助者有り目視外飛行による自律飛行)にて物品輸送の一連の流れを検証しました。

※ 朝町川上空を飛行し、市道上空を飛行し、自由ヶ丘中学校へ着陸するルート

日時:2022年3月6日(日)13:00~14:00
場所:福岡県宗像市 自由ヶ丘地区
離陸場所:南西産業 資材置き場(〒811-4161 福岡県宗像市朝町921-1)
着陸場所:宗像市立自由ヶ丘中学校 グラウンド(〒811-4161 福岡県宗像市朝町1019-4)
実験内容:食料品の配送
使用機体:DJI Matrice300RTK 改(輸送BOXを取り付け輸送用機体として改造)
搬送重量:約1kg(食料品 イオン プライベートブランド トップバリュシリーズ)
搬送距離:約1km
飛行条件:天候 晴れ
最大高度:100m

自由ヶ丘地区では、スーパーマーケット、コンビニエンスストアが徒歩で10分〜20分以上掛かる場所が多く、ドローン配送を用いることで、将来的には自家用車を使うことなく、自宅のすぐそばに商品が運ばれるサービスが期待されており、今回の実証実験を通じて、その可能性が下記の3点の実証より実現可能なものに近付けることができました。

①ドローンポートの有用性
ドローン配送のハブ空港的役割を果たすドローンポート(離着陸地点)を出発地点(宗像市朝町921-1)と、商品受け取り地点(自由ヶ丘中学校、宗像市朝町1019-4)に設置することで、安全性を担保したドローンの離陸、着陸が可能となり、小売企業の商圏拡大と、ラストワンマイル配送の可能性を実証できました。

② 買い物時間の短縮
徒歩では10分以上掛けて買い物に行く必要があった場所であっても、ドローン配送を利用することで、5分程度でドローンは出発地点から、着陸地点までを配送を完了することができ、買い物へ行く往復の移動時間が不要となりました。これは今後の高齢化社会における「買い物問題」を解消する手段にもなり、また、車やバイクを使用しないことから、ゼロカーボンシティを目指す宗像市の目標にも沿った結果となりました。

③ ドローンの定期航路の敷設がしやすい
物流ドローンの飛行においては、ドローンが飛行する土地の所有者の理解が重要となります。今回の飛行ルートでは、トルビズオンが提供する「sora:share」において実証実験開催地域一体の土地の登録、および飛行ルートの作成を行うことで、土地所有者の合意が取れた証明と、ドローン飛行時の事故に備えた保険を提供しました。また、宗像市と共同で実証実験を行うことから、河川(朝町川)上空と、市道上空を飛行することが可能となり、物流において重要な定期的、定常的に利用できる「空の道」の敷設が可能となり、ドローンの定期航路の可能性も実証することができました。

将来的な展望

今回の実証実験の結果より、今後は大型幹線道路である国道3号線に近い位置にドローンポートを設置や、商品の受け取り地点(ドローン)も多く設置することで、ドローン輸送の複線化や、日常的なドローン配送の検討も進めていきます。

また、小売企業や開発企業とも連携を強め、将来的には日用品や食料品の注文ができるアプリケーションの開発を行い、注文から商品のポート輸送、ドローンによる配送までを実施することで「サービスが人の近くに移動してくる社会」の実装に近付けていきます。

自治体担当者コメント

宗像市 樋口さまのコメントは以下の通りです。

「​​本市では開発から半世紀を経過した住宅団地の再生に取り組んでおり、将来にわたって住み続けられるまちを目指し、官民連携によるまちづくりに取り組んでいます。2021年10月からの3ヶ月間、自由ヶ丘地区の公園を会場とした「ショップモビリティ事業」を行い、2,500人以上の方が利用し好評を得ました。今回は、「サービスが人の近くに移動してくる社会」という概念をさらに深化させ、人口減少等による将来的な担い手不足を見据え、未来技術であるドローンを用いた配送実証事業を行いました。今回の実証事業をスタートとし、さらなる住民の利便性向上や暮らしの質の向上に努めて参ります。」

出典:株式会社トルビズオン

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