アラブ首長国連邦の首都アブダビ、その環境保護庁(The Environment Agency – Abu Dhabi、以下:EAD)は、国際的なエネルギー会社ENGIEと協力し、ドローンを使用したマングローブの修復プロジェクト「Blue Carbon(ブルーカーボン)」を実行しています。Blue Carbonでは、ドローンが数万もの種子を空中植栽し、マングローブの修復にあたります。
Blue Carbonは、2020年の後半に開始されました。最初はミッションは、アブダビのミルファ沿岸地域の一部である約2.5エーカーの修復でした。両者はドローン会社Digital Imageryの協力を経て、マングローブの種子を空中植栽し、約1年間で良好な結果を得ました。
1回目の良好な結果を受け、2回目では35,000個のマングローブの種子などが入ったシードボールを空中植栽しました。この大規模な空中植栽では、1回のフライト毎に2,000個のシードボールを迅速かつ正確にドロップする必要がありました。Digital Imageryは、地形の調査や分析を行い、3種類のリリースメカニズムを考案し、土壌、標高、潮汐特性に対応したシステムを作り、これを達成しました。
EADのエグゼティブディレクターであるAhmed AlHashemi氏は、次のように述べています。
「最初のプロジェクトが成功したことで、私たちは多くのデータやノウハウを得ることができました。ドローンによる植栽は、世界中で行われているものの比較的新しく、革新的な方法です。ドローンはアブダビのマングローブの修復と拡大に大いに役立ちます。特に、従来の植栽方法では困難な場所や遠隔地での植栽も可能です。」
今後は、新たなマングローブの成長状況や健康状態をドローンで監視しつつ、周囲への影響を測定する専用センサーの開発なども行なっていくとのことです。