離着水・海上航行可能な海洋観測ドローン「POV-DA」を開発 – プロドローン

離着水・海上航行可能な海洋観測ドローン「POV-DA」を開発 – プロドローン

2024年6月3日、株式会社プロドローン(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:戸谷俊介)と、五洋建設株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:清水琢三)は、離着水ならびに海上航行が可能な海洋観測ドローン「Penta-Ocean Vanguard-DroneAqua」(以下:POV-DA) を開発したことを発表しました。

POV-DAは、離着水が可能なドローンに高精度GNSS、スラスター、測深ソナーを搭載したものです。着水したPOV-DAの現位置(X,Y,Z)と水深はリアルタイムに陸上の操作画面で把握することができます。

また、操作画面上で観測地点の平面位置(X,Y)を指定すると、水中のスラスターによりPOV-DAを観測地点まで海上航行させることや、波や流れがある中で観測地点に定点保持させることも可能です。これらの機能を用いて、陸上からの操作で手軽に効率的に①水深測量や②波浪観測を行うことが可能となりました。

①水深測量機能
防波堤や岸壁などの築造工事の施工管理では、水中の施工状況を直接目視で確認できないため、測量船を用いた深浅測量(※1)やレッド測深(※2)などが一般的に行われています。POV-DAの導入により測深時間の短縮が可能となり、また測深データは無線で操作画面上にリアルタイムに表示されるので、水中作業の進捗状況や土砂投入量の過不足が把握でき、継続作業のための判断の迅速化が可能となります。測深性能は、一般的な深浅測量方法と比較して±10cm程度の差異であり、施工管理上、実用的な精度を有していることを確認しています。

※1 深浅測量とは、単素子や複素子の音響探査機器を用いて移動しながら測深する方法です。
※2 レッド測深とは、レッド(鉛)を付けたロープを海底に投下して水深をロープの目盛りで測深する方法です。

②波浪観測機能
海上工事では施工管理、安全管理を行う上で、各種気・海象予報データあるいは当該地点近傍の波浪観測データに基づき施工可否を判断しています。併せて、施工前にも海岸等から目視等で施工可否の判断を行っています。POV-DAの導入により、GNSSデータから算出した波高・周期が操作画面上にリアルタイムで表示されることで、現地の波浪状況を把握することができ、施工可否判断の迅速化が図れます。POV-DAの観測結果は、波高計による観測結果との差が平均すると10%以内であり、施工管理上、実用的な精度を有していることを確認しています。POV-DAは海上工事における施工管理の効率化や施工可否判断の迅速化に貢献するだけでなく、上空からの空撮も可能であるため、災害時には陸上・水中双方の状況を速やかに把握することが可能です。

今後は、多項目水質計や採水器の搭載など海洋計測の機能拡張を進め、海上工事における海域環境の保全・調査にも活用の場を広げていく予定とのことです。

POV-DA 仕様・性能

  • モーター軸間距離:1280mm(折りたたみ時860mm)
  • 全高:600mm
  • 機体重量:13kg(バッテリーとカメラ含む)
  • 最長飛行時間:20分
  • 最高速度:60km/h
  • 飛行可能最大風速:10m/s
  • 着水時最長航行時間:60分
  • 着水時最高航行時間:約4ノット
  • 離着水可能最大波高:約2m
  • 耐水性:IP55相当
  • 衛星測位システム:RTK-GNSS
  • ソナー:BlueRobotics製 pingsonar

出典:株式会社プロドローン

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