2025年9月1日(防災の日)、ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下:ブルーイノベーション)は、東京都立産業技術研究センター(以下:都産技研)による「クラウドと連携した5G・IoT・ロボット製品開発等支援事業 公募型共同研究」において、ブルーイノベーション提案の「自動離発着型ドローン多目的災害支援システムの研究開発」が採択されました。
本研究開発は、2025年5月に発表した「BEPポート|防災システム」(ニュースリリース)を基盤とし、現場での実体験や自治体からのニーズに対応するために、さらなる機能開発を行う取り組みです。社会実装に直結する実用フェーズとして、既存システムの高度化と災害支援体制の強化を目指します。

災害支援の迅速化・安全化を目指して
近年、地震や豪雨などの自然災害が激甚化・頻発化する中、被災地における初動対応の遅れや人員不足が深刻な課題となっています。
ブルーイノベーションは2022年、全国瞬時警報システム(Jアラート)と連動して、ドローンが自動離発着・巡回飛行しながら避難呼びかけを行う「津波避難広報ドローンシステム」を開発。宮城県仙台市(2022年10月~)、千葉県一宮町(2025年4月~)で実運用されており、2025年7月30日に発生したカムチャツカ半島付近を震源とする地震に伴う津波注意報・津波警報時にも稼働しました。現地に人手を介さず、完全自動で稼働する本システムは、災害対応の安全性と効率性の向上に大きく寄与しています。
さらに2025年5月には、同技術を発展させた「BEPポート|防災システム」を発表。ブルーイノベーション独自の中核技術「Blue Earth Platform®(BEP)」(※)を活用し、ドローンポートを中心とした防災ソリューションの提供を本格的に開始しました。
※ Blue Earth Platform®(BEP)とは、ミッションをベースに複数のドローンやロボット、各種デバイスを遠隔・目視外で自動制御・連携させることができる、ブルーイノベーション独自のデバイス統合プラットフォームです。複数のドローンやロボットをBEPで統合管理し、さらに各種OSやシステムと連携させることで、単体では成し得なかった広域での任意・複数のミッションを同時に遂行します。
また、2024年の能登半島地震では、現地でのドローン支援活動を通じて、自治体や自衛隊と連携しながら多様な災害現場のニーズを実地で把握しています。

本研究開発について
今回採択された研究開発では、これまでの知見と実績を基に、都産技研の支援と技術的協力を得ながら、孤立地域の状況調査、倒壊家屋の監視など、災害現場で求められる機能を新たに追加開発します。
さらに、被災状況をクラウド上で一元管理し、災害情報共有プラットフォーム等の外部システムとAPI連携を通じて、情報収集から共有までを自動・即時に実行できる仕組みを構築します。加えて、共同実施者として三井不動産株式会社、日鉄興和不動産株式会社が参画し、オープンイノベーション推進・ドローン業界全体の産業発展に寄与することを目的に「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」に開設された、東京都初の物流施設併設型ドローン実証実験の場「板橋ドローンフィールド」などを実証フィールドとして活用しながら、社会実装に向けた検証を実施します。

本研究開発の概要
事業名 | クラウドと連携した5G・IoT・ロボット製品開発等支援事業(都産技研) |
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当社テーマ名 | 「自動離発着型ドローン多目的災害支援システムの研究開発」 |
実施期間 | 2025年7月~2026年6月(予定) |
開発項目 | 災害ニーズ別の自動飛行機能(孤立地域調査、倒壊家屋監視等) クラウドによる被災状況のデータ管理・可視化 外部システムとのAPI連携 |
共同実施者 | 三井不動産株式会社、日鉄興和不動産株式会社 |
実証実験地 | MFLP・LOGIFRONT東京板橋 等 |
採択公表ページ | https://www.iri-tokyo.jp/news/press-2025-06-26/ |
本研究開発成果の事業化に向けて
本研究開発成果をもとに、2026年度以降、全国の自治体や公共団体への導入を積極的に推進し、各地域の防災体制の強化と災害対応の高度化に貢献することを目指します。本システムの導入による災害時の迅速な状況把握と支援活動の自動化により、被災地の早期復旧や国土強靱化が期待されます。
将来的には、災害時だけでなく、平時における巡回監視やインフラ点検などへの応用展開も視野に入れ、持続可能なレジリエンス強化型社会インフラの構築を目指してます。
