2024年11月26日、株式会社ゼンリン(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:髙山善司、以下:ゼンリン)は、ドローンが安全に飛行するための飛行経路設計をサポートする「ドローンルート検索機能」「ドローンルート評価機能」の提供をゼンリンが保有する各種地図情報を自社サービスと連携できる地図API「ZENRIN Maps API」にて開始しました。
このサービスは、2021年9月29日に発行されたドローン用地理空間情報に関する国際規格「ISO 23629-7 UAS traffic management (UTM) — Part 7: Data model for spatial data」に準拠した世界初のAPIサービスです。
- サービス紹介ページ:https://www.zenrin.co.jp/product/category/technology/drone/index.html
- ドローン用地理空間情報に関する国際規格について:https://www.zenrin.co.jp/information/public/210930.html
- ZENRIN Maps APIについて:https://www.zenrin.co.jp/product/category/iot/api/index.html
以下画像は、「ドローンルート検索機能」イメージです。※APIを利用して開発したイメージ図。
以下画像は、「ドローンルート評価機能」イメージ画像です。
サービス開発の背景
2022年12月より有人地帯での目視外飛行が解禁されるなど、ドローンは、幅広い分野での活用が期待されています。一方で、飛行の実現に不可欠な “空の道”である飛行経路の構築には「経路計画に掛かる作業工数の多さ」、「設計者のスキルに左右されるルートの正確性」など、コスト面・安全面での課題が多く残っています。
ゼンリンはこの課題を解決するため、これまで全国各地で行ってきたドローンの実証や実装の知見を活かし、作業者のスキルや経験値に左右されない、安全な飛行経路設計を支援する機能を開発。ゼンリンが保有する各種地図情報を活用できる地図API「ZENRIN Maps API」に「ドローンルート検索機能」、「ドローンルート評価機能」の機能を追加し、提供を開始しました。
「ドローンルート検索機能」「ドローンルート評価機能」概要
今回APIとして提供するのは、ドローンが安全に飛行するための「ドローンルート検索機能」、「ドローンルート評価機能」です。「ドローンルート検索機能」では、ゼンリンの地図データベース上で飛行経路の出発地点と到着地点を入力することで、経路周辺の地物(道路・建物・水路等)情報と、ドローンが落下した際の分散範囲を計算し、リスクの最も低い安全な飛行ルートを自動生成します。「ドローンルート評価機能」は、APIを使用せずに作成した飛行ルートでも、座標を入力することで安全性を検証することができる機能です。本機能の提供を通じ、専門スキルが求められる経路設計業務の属人化解消に貢献します。
【利用時の設定可能項目】
経路作成時の入力項目例 | ||
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経路探索 | 始点・終点の指定 | 始点・終点の座標を入力。座標を地図上で選択。 |
経由地の指定 | 経由地の座標を入力 or 座標を地図上で選択。 | |
飛行高度の指定 | 対地高度で飛行高度を入力。(m) | |
経路探索補助 | 対人工地物距離 | 人工地物と何m離れて飛行を行うかを指定する。 |
対自然地物距離 | 自然地物と何m離れて飛行を行うかを指定する。 | |
優先・回避地物リスト | 建物(飛行禁止施設・人口密集施設・一般家屋)、 交通(高速道路・一般国道・都道府県道・その他・鉄道)、 水系を選択し、選択された地物の上を優先的に飛行する | |
風速 | 飛行時の風速を入力。(m/s) | |
最高対地高度 | 最高対地高度を入力。(m) | |
飛行速度 | 飛行速度を入力。(m/s) | |
飛行許可・禁止エリアの指定 | 飛行許可エリアの指定 | 飛行許可エリアの任意の形状を描画して座標を指定。 |
飛行禁止エリアの指定 | 飛行禁止エリアの任意の形状を描画して座標を指定。 |
今後の展望
地理空間情報の利活用拡大により、物流・点検・測量等のさまざまな分野におけるドローンの産業利用推進を支援し、社会課題の解決の一翼を担うとともに、便利で安全な空のインフラ構築に寄与することを目指します。
出典:株式会社ゼンリン