2023年8月28日、小松市(市長:宮橋 勝栄)と、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下:セイノーHD)、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下:エアロネクスト) 、株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下:NEXT DELIVERY)は、小松市松東地区において、地域課題の解決の貢献を目指した新スマート物流(※1)SkyHub®(※2)のサービスを開始するにあたり、ドローンデポ®(※3)小松にて開所式を実施しました。
※1 新スマート物流とは、物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組みです。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指します。
※2 SkyHub®︎とは、エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のプラットフォームです。ドローン配送が組み込まれた、オープンかつ標準化したしくみで、このプラットフォーム上で、ドローンデポ®︎を拠点に、SkyHub®アプリをベースにした配達代行、オンデマンド配送、医薬品配送、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送など、地域の課題やニーズに合わせたサービスを展開、提供します。SkyHub®の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえます。
※3 ドローンデポ®とは、既存の陸上物流とドローン物流との接続点に設置される荷物の集積・配送の拠点であり倉庫で、荷物をドローン配送できる仕組みを持つ倉庫です。
2023年8月28日からスタートするサービスはSkyHub® DeliveryとSkyHub® Eatsで、住民ニーズに応じて順次サービスと対象エリアも拡大します。新スマート物流SkyHub®における配送の拠点であり一時保管倉庫の機能をもつドローンデポ®は、松東地区の「ほのぼの松東」内に構え、今年度中には各運送会社と連携した共同配送の検討も開始します。
小松市、セイノーHD、エアロネクスト、KDDIスマートドローン株式会社の4者で「次世代高度技術の活用による地方創生に向けた連携協定」を昨年12月13日に締結し、同月21日には連携協定に基づく取組みとして、新スマート物流SkyHub®のしくみと技術を活用し、小松市の抱える地域課題の解決を目指して買物支援、物資支援などを想定して、ドローン配送サービスを主事業とするNEXT DELIVERYが実施主体となり、松東地区にて日用品のドローン配送の実証実験を実施しています。
新スマート物流SkyHub®は、ドローン配送と陸上輸送を融合した新たな物流インフラを構築することで、地域課題の解決に貢献するもので、セイノーHDとエアロネクストが全国で推進しており、小松市は、山梨県小菅村、北海道上士幌町、福井県敦賀市、茨城県境町、千葉県勝浦市、和歌山県日高川町に続き、社会実装フェーズに入った自治体としては全国で第7番目となります。
なお、本事業は、令和5年度デジタル田園都市国家構想推進交付金(デジタル実装Type1)「ドローンを活用した新スマート物流実装事業」として採択されています。
サービスのための配送手段は軽バンとドローンで、ドローン配送においては、主にエアロネクストが株式会社ACSLと共同開発した物流専用ドローンAirTruck(※4)を活用します。8月28日以降、以下の2つのサービスを順次スタートさせ、住民ニーズに応じて商品ラインナップを充実・深化させつつ、対象エリアも広げていくとのことです。
※4 物流専用ドローン AirTruckとは、次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®により安定飛行を実現します。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。試作機は日本各地の実証実験で飛行し日本No.1の飛行実績を持ちます。
サービス内容
買物代行サービス(SkyHub® Delivery)
SkyHub®専用サイトやチラシで買物した地域のドラッグストアなどの商品が、希望日時に個宅に届く買物代行・配達代行サービスです。地域の商店のDX化支援の取り組みでもある、ネットスーパーのサービスとなります。
松東地区では、近隣にあるドラッグストアの約120アイテム(今後も拡大)の食料品、日用品から商品を選び、希望時間を選択して注文できます。料金は配送料300円(税込)とサービス料(商品代金合計の10%)。当面は午前12時までの注文商品を当日中にお届けします。
フードデリバリーサービス(SkyHub®Eats)
小松市内の提携飲食店のフードを軽バンあるいはドローンにてお届けします。料金は配送料300円(税込)を想定しています。
ドローン配送について
ドローン配送にはエアロネクストが物流用途に特化してゼロから開発した可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20kmの物流専用ドローンAirTruckを使用します。8月28日の報道関係者への公開では、地域住民の日常的な買物利用を想定して、ドローンデポのあるほのぼの松東の駐車場から松東こども園までの片道約1㎞を片道約3分で、メッセージカード付きのお菓子をAirTruckで配送しました。
まずは松東地区内で複数のルートでドローン配送ができるよう準備をしており、年度内には、70日以上の運航とレベル3(無人地帯での目視外飛行)飛行でのドローン配送を目指し、秋以降からの実施を予定しています。
今後も、各者が相互に連携、協力し、市の課題や市民のニーズに沿って、ドローンを含む次世代高度技術の活用による、持続可能な地域の物流の確保と新しい社会インフラの整備を推進することで、小松市における地域の活性化に寄与していくとのことです。
出典:株式会社NEXT DELIVERY「小松市でドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の社会実装がスタート~住民に向けたフードデリバリー、買物代行のサービスを順次開始~」