パーソルP&Tと防災科研、災害対応ドローンソリューション「GEORIS」の研究開始

パーソルP&Tと防災科研、災害対応ドローンソリューション「GEORIS」の研究開始

2021年6月24日、総合人材サービス・パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー株式会社(東京都江東区、代表取締役社長:横道 浩一、以下;パーソルP&T)と国立開発研究法人防災科学技術研究所(茨城県つくば市、理事長:林 春男、以下:防災科研)は、消防防災分野におけるドローンの社会実装に向けて、令和3年度消防防災科学技術研究推進制度の採択(※1)を受け、神戸市消防局、釜石大槌地区行政事務組合消防本部(以下:モデルユーザー)と連携しながら、災害対応ドローンソリューション「GEORIS」における配備訓練や実装に向けたβ版の研究を5月17日より開始したことを発表しました。

※1 総務省消防庁 消防防災科学技術研究推進制度「災害発生時の迅速な状況把握による的確な意思決定を支援するためのドローン活用体系の開発」の一部委託を受けて実施

パーソルP&Tと防災科研は、令和3年1月より、災害対応ドローンソリューション「GEORIS」のサービス開発に向けた協業を開始しており、本研究では消防機関での災害時の情報収集において、ドローンとWeb-GIS(インターネット上で利用可能なマッピングシステム・地理情報システム)を活用し、現場で的確かつ迅速な意思決定につなげるソリューションの提供を目指しています。

まずは、モデルユーザーが本研究成果を2年後に現場主導で活用できることを目指し、初年度(令和3年度)は、(1) Web-GIS「mapper」の基礎研究及び(2)モデルユーザーによるパフォーマンス検証のためのシナリオ開発を進めます。

(1)Web-GIS「mapper」の基礎研究

「mapper」は災害時の情報収集や現場活用に最適化した用途特化型の地図システムです。

迅速に被害状況を把握するため、以下の機能を開発します。

  • ドローンの空撮を用いた地図画像(オルソ画像)を作成できる機能
  • 被害状況を共有するために現場活動で撮影した写真(倒壊した家屋等)のマッピング機能
  • 被害情報の追加編集ができる機能
  • 捜索済みのルート(現場の捜索隊が通ったルート)が一目で分かる捜索箇所のマッピング機能 等

また、モデルユーザーと意見交換やシナリオ検討状況を情報連携しながら詳細設計を進めます。

2)モデルユーザーによるパフォーマンス検証のためのシナリオ開発

A:研修実施

mapperを使用した実証実験に向けて、モデルユーザーの神戸市消防局が主体となって実証シナリオを作成します。

その前段としてmapper活用に当たって必要となるドローンや情報の扱い方、自然災害における知識等を育成カリキュラムとして実施します。

育成カリキュラムの一例は以下の通りです。

①なぜドローンを飛ばすのか?
・現場で求められる情報の種類
・現場状況の「推定」から直接「見る」時代へ

②それはドローンで見えるのか?
・分解能(解像度)による見え方の違い
・カメラの種類と情報の性質

③自然災害では何が起こるのか?
・自然災害の基本的なメカニズム
・被害の起こりやすさと災害時の着目点

④情報の解釈
・生データから意味のある情報を読み取るテクニック
・インテリジェンスを得るための3ステップ

⑤災害時運航の安全確保
・航空工学的に正しい点検のポイント
・災害直後の空域の特性

B:検証シナリオの作成

mapper検証に向けて、実災害で有効な検証シナリオを作成します。

例えば、広範囲・大規模な火災が発生した際に、火源はどこなのか、どの範囲で延焼しているのかといった情報が必要とされ、そのような情報収集にドローンによるFPV活用が期待されています。

また、山での遭難事故における早期解決には、遭難者の場所の特定や、捜索関係者間での情報伝達が重要です。

山では木々によって遭難者が隠れてしまう可能性が高いため、現場隊員と指揮所および防災ヘリコプター間で、地図や位置情報を活用した捜索経路、捜索地点の共有に期待値が高いことが判明しています。

このように現場視点での仮説を立て、検証シナリオをモデルユーザーが主体となって作成を進めています。

その他詳細については、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社のホームページをご覧ください。

出典:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社「パーソルP&Tと防災科研、災害対応ドローンソリューション「GEORIS」の 消防防災分野での社会実装に向けた協業型研究を開始

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