アトラックラボら、水産業の省人・省力化に向け長崎の漁師主導で「漁火ロボ」開発

アトラックラボら、水産業の省人・省力化に向け長崎の漁師主導で「漁火ロボ」開発

2021年12月1日、株式会社アトラックラボ(本社:埼玉県入間郡三芳町藤久保16-37、代表取締役:伊豆智幸、以下:アトラックラボ)は、長崎県産業振興財団の海洋技術振興事業による支援を受ける、株式会社天洋丸(本社:長崎県雲仙市、代表取締役:竹下千代太、以下:天洋丸)、長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科 松下吉樹教授、長崎県総合水産試験場 高木信夫博士、株式会社ライトハウス(本社:福岡県福岡市、CEO:新藤克貴、以下:ライトハウス)と共同で「漁火ロボ(いさびりロボ)」を開発したことを発表しました。

アジ、サバ、イワシなどを漁獲するまき網漁業は異なる役割を持つ多数の船を使って操業します。長崎県橘湾海域で煮干し原料のカタクチイワシを漁獲する天洋丸船団の場合、3隻の灯船、2隻の運搬船、1隻の網船、1隻の作業船、合計7隻の船に約30人が乗り込み、夜間に操業します。灯船は魚を探して集める役目を担い、集魚灯を点灯して魚を集めます。網船と作業船は大きな網を水中に投入して、集魚灯の光に集まった魚群を取り囲みます。そして逃げられなくなった魚を運搬船が取り上げて港まで運びます。このように多くの人と船が別々の役割を持って操業が行われますが、近年では人手不足や乗組員の高齢化が進み、誰かが休むと操業に支障が出ることも懸念される状況です。

開発された「漁火ロボ」は、電動スラスターと200WのLED水中灯を備えた水上ドローンで、網をまき始めてから、網が閉じ終わるまでの間、網の中で光を発して魚が逃げないようにとどめておく役割を果たします。この作業を「漁火ロボ」が担うおかげで、灯船の作業負担が大幅に減少しました。

まき網操業の中でドローンが担う役割を天洋丸と長崎大学、長崎県総合水試が考え、そのための機器の製作・改良をライトハウスとアトラックラボが担当、そして天洋丸が日頃の操業のなかで試験運用を行っています。漁業の現場での使いやすさをさらに追求した改良を行うとともに、耐久性の検証を進めています。

天洋丸は「水産資源の価値を高め、人々を笑顔にする」をミッションとして、まき網漁業を中心に養殖業や加工業などで次々に新しい取り組みを展開しています。今回は長崎県産業振興財団の支援の下、産学官が協力して水産業の持続性強化を目指す技術開発となりました。

出典:株式会社アトラックラボ

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