日ACSL、マレーシアでの累計1,000時間のドローン飛行試験に成功

日ACSL、マレーシアでの累計1,000時間のドローン飛行試験に成功

2021年11月10日、株式会社ACSL(本社:東京都江戸川区、代表取締役社長兼COO:鷲谷 聡之、以下:ACSL)はエアロダインジャパン株式会社(東京都渋谷区、代表取締役:伊藤 英、以下:エアロダインジャパン)と連携し、2020年12月よりACSLの国産ドローン「ACSL-PF2」について、1,000時間におよぶマレーシアでの連続飛行試験を実施したことを発表しました。

そして今回、本飛行試験と試験結果の評価を無事に完了し、今後法整備が進む有人地帯上空での目視外飛行(Level 4)を見据えたドローン開発に向けた有益な結果を得ることができたとのことです。

背景

ACSLは国産の産業用ドローンを開発しており、物流、インフラ点検、災害等、様々な分野で採用されています。ドローンの制御を担うフライトコントローラを自社で開発しており、セキュアなドローンの社会実装を推進してきました。2020年に発表した中期経営方針「ACSL Accelerate 2020」では、Level 4に向けた法制備とセキュアなドローンに対する需要増加を受け、「プロトタイプ工場から量産メーカーへ」という目標を掲げ、事業を推進しています。

Level 4環境下での飛行を実現するためには、十分な飛行時間やリスクレベル評価、安全性・信頼性を示すための基礎データが重要です。しかしながら、機体は個別に作られた部品を組み合わせて構成されており、ドローンというシステム全体としての性能評価や耐久性評価が十分に実施されていないことが課題としてあげられています。

本飛行試験では、このような課題を解決するために、エアロダインジャパンと連携し実際の飛行環境を確保することが可能なマレーシアにおいて、1,000時間におよぶ飛行試験を実施しました。そして、各部品の本来の性能を明らかにするとともに、ドローンのシステム全体の評価を行いました。

飛行試験の概要

飛行試験の概要は以下の通りです。

■試験期間および評価期間:2020年12月~2021年9月

■使用機体:ACSL-PF2

■累計飛行時間:約1,000時間

■飛行試験の目的:

  • モーター、ESC、プロペラ等の各部品の平均故障間隔(MTBF)の検証と改善点の明確化
  • 各部品の交換やメンテナンスに関わる評価
  • ホバリング精度、飛行時間、最高速度などの性能指標を様々な条件で検証することによる性能範囲の確立
  • 経験豊富なドローンオペレーターからのフィードバックの収集

結果

飛行試験の結果は以下の通りです。

  • 5機のACSL-PF2で累計1,000時間の飛行試験を実施し、モーター、ESC(Electric Speed Controller:モーターの回転数をコントロールする部位)、プロペラの交換は一切必要なく試験を完了することができた一方で、集中的に改良すべき点も見つかり、Level4を見据えた開発の重要な基礎データを収集できました。
  • 実際のドローンを飛行させる環境で飛行試験を実施したことで、理論値ではない性能評価をすることができました。これにより、今後の運用コストの低減に繋がるような、部品交換等のメンテナンスに関わる重要なデータを収集することができました。
  • 飛行試験期間はコロナ禍であり、教育等のために直接往来することが難しい状況であったものの、リモートでのトレーニングや運用により試験を進行することができました。これにより、ACSLの教育・運用システムはリモートでも実施可能であり、シミュレータ等によりスキルアップすることができるという実例を作ることができました。

今後の取り組み

ACSLは飛行試験により得られた結果を通して、いくつかの改良すべき点を確認することができたため、Level4を見据えた機体の量産化に向け更なる開発を進めていくとのことです。

また、これにより産業用ドローンの社会実装に向け、過不足なく最適化された部品の交換頻度や運用限界などを定めることができ、より社会実装を推進することが可能になったとのことです。

さらに、本飛行試験はACSLが戦略の1つとして掲げるASEAN進出を加速するための貴重な経験となり、海外においてACSLの国産ドローンを運用していくための足掛かりなります。

ACSLは、今後も「プロトタイプ工場から量産メーカーへ」と進化するべく、量産に適した機体開発に取り組むとのことです。

出典:株式会社ACSL「ACSL、マレーシアにおける累計1,000時間のドローン飛行試験に成功 Level4に向けた国産の量産機体開発を加速し、国産ドローンの社会実装を推進

ニュースの最新記事