スペインの自動車メーカーSEAT、部品の配送にドローン活用のテスト「JUST IN TIME」実現へ

スペインの自動車メーカーSEAT、部品の配送にドローン活用のテスト「JUST IN TIME」実現へ

2021年11月4日、スペインの自動車メーカーSEATは、工場への部品の配送にドローンを利用するテストを実施しました。

この方法が実用化されれば、必要な時に必要な部品を届けるロジスティクス管理が達成され、新たな「JUST IN TIME」の生産方式が生まれるかもしれません。

SEATでは、バルセロナ近郊のマートレル工場へ自動車の部品を日常的に輸送しています。2km離れた場所にサプライヤーのセンターがあり、ここからドローンが時速40キロ、高度95メートルで必要な部品を配送します。

配送テストでは、注文から約15分で部品が届きました。なお、ドローンの片道の飛行時間はうち4分間になります。最終的には、システムが必要な部品を自動で選出し、ドローンが運ぶことが期待されています。

ただし、この理想に至るには正確な在庫管理や生産管理はもちろん、運用するドローンの数を増やしていく必要があります。特に複数のドローンの実用化には、ドローン同士が干渉せずに飛行できる機能、予期しない障害物を回避する機能、運用空間のマッピング、ドローンプログラミングなど、数えきれないテストが必要になります。

SEATの生産管理及びロジスティクス管理の担当であるChristian Vollmer(リスチャン・ヴォルマー)氏は、次のように述べています。

「ドローン配送はロジスティクス分野で革命をもたらすかもしれませんが、工場の生産にも革命をもたらす可能性があります。今回の実験では、部品の配送時間が80%短縮できました。この新たなイノベーションはインダストリー4.0を後押しし、より効率的な競争が生まれるでしょう。」

出典:SEAT

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