2021年10月13日、住友商事株式会社の量子技術を起点とした社会変革プロジェクトQuantum Transformation Project、国立大学法人東北大学、無人機管制システム開発会社のOneSky Systems, Inc.(以下:OneSky)は、多数のエアモビリティが飛び交う未来の実現に向け、量子コンピューティングを活用したリアルタイム三次元交通制御に関する実証実験のフェーズ1を完了したことを発表しました。
この研究プロジェクトは、量子コンピューターの力で社会を変革することを目指すQuantum Transformation Projectと、UTM(Unmanned Traffic Management)ソリューションを提供するOneSky、そして量子アニーリングの研究実績が豊富な東北大学が連携して実施するものです。
量子アニーリングとは、量子コンピューターの中でも最適化に特化した手法で、今回のパイロットプログラムでもその手法が用いられています。エアモビリティは、都市部での移動時間の短縮、離島や山間部での移動の利便性向上、緊急輸送や物資輸送の迅速化などが期待される次世代の交通手段です。エアモビリティ時代の三次元交通の安全・安心を確保するためには、刻々と変化する天候や電波状況、他のエアモビリティの状況などを考慮して、最適な航行経路を決定する必要があります。
しかし、指数関数的に増加する組み合わせの中からリアルタイムに答えを導き出すことは、従来のコンピュータでは難しい可能性があります。この問題を解決するために、Quantum Transformation Projectは多数のエアモビリティのリアルタイム制御に量子コンピューティングを活用する実証実験を開始しています。
実証実験はYouTubeにて公開されています。こちらをご覧ください。
出典:Quantum Transformation Project「量子コンピュータで空飛ぶクルマの交通制御の性能向上を実現、空を飛び交う日常生活へ一歩前進」