NASAがカリフォルニアの山火事消火活動に参加、ドローンの役立つ仕組み作り

NASAがカリフォルニアの山火事消火活動に参加、ドローンの役立つ仕組み作り

アメリカ合衆国カリフォルニア州の北部では、毎年のように山火事が発生しています。そして今年の8月には、カリフォルニア州の歴史でも2番目の大きさの山火事が発生しました。

この山火事の現場付近にいたNASAのJoey Mercer(ジョーイ・マーサー)氏は、山火事で使用されるドローンがより効率的に機能すれば、さらに消防士を支援することができるのではないかと考え、9月にはチームメイトと共に3つのカリフォルニア州で発生した山火事の消火活動に参加しました。

Mercer氏は、カリフォルニア州のシリコンバレーにあるNASAのエイムズ研究センターの緊急対応運用に関するスケーラブルトラフィック管理のプロジェクト主任です。Mercer氏とチームメイトは、災害対応者がより安全かつ効率的に作業できるソフトウェアとコミュニケーションツールの設計をしています。このアプローチの一部は、ドローンなどの無人航空機システム(UAS)の使用にも関与しています。

Mercer氏とチームメイトは、まずは上空から炎と戦う消防士の活動を観察しました。Mercer氏によると、ドローンが撮影するサーモグラフィー画像は山火事の状況把握に役立ち、山火事に対処するラインの設定にも役立ちます。

ドローンが収集した情報を活かすツールを開発し、消防士が安全かつ効率的に消火活動を行えることが理想です。そして、この消火活動が効率的であればあるほど、ツールの機能はさらにアップデートできるとのことです。

ツールの機能をアップデートするため、Mercer氏とチームメイトはカリフォルニア州森林防火局、米国森林局、国立公園局、CAL FIREなどの複数の管理団体から情報を収集しました。また、消火活動に使用されているドローンの動向を観察したり、サーモグラフィー画像を収集したりしました。

収集した情報から、山火事で使用されるドローンのドローンパイロットが、適切かつ迅速な決定を下さなければいけない状況であることが分かりました。しかし、ドローンパイロットは画面上で空域を監視する余裕がない場合もあり、そこを補う音声通知等の機能が助けになる可能性があるとのことです。

今後もNASAのチームは、カリフォルニア州で発生する山火事の消火活動に役立つツールを確かなものにするため、消防の専門家から学び、現場での観察を続けていくとのことです。

ちなみに、日本では山火事現場付近でのドローンの飛行が禁止されています。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

出典元:NASA公式ホームページ「At California Blazes, NASA Team Observes How Drones Fight Wildfire

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