カナダ運輸省、山火事付近でのドローンのフライトを禁止

カナダ運輸省、山火事付近でのドローンのフライトを禁止

カナダでは、今年だけで1,319件の火災が発生しており、うち山火事は254件に及びます(2021年7月地点)。特にブリティッシュコロンビア州での山火事が深刻であり、2日間で23件の山火事が発生したこともありました。

そして、近年問題になっているのが、山火事をドローンで撮影する一般市民の行動です。山火事のドローン撮影は危険を伴うだけでなく、消火活動の邪魔にもつながります。

事態を重く捉えたカナダ運輸省は、山火事付近のドローンのフライトを禁止し、消火活動などに干渉しないように声明を出しました。具体的には、高度3,000フィート未満の山火事または山火事から約9.3 km以内に位置するエリア上で、ドローンを含む航空機を操作してはいけません。これに違反した場合、最大100,000ドルの罰金または/および懲役刑が科せられます。

加えて、カナダ運輸省は「夏季にドローンを飛ばす場合、5海里以内に煙や火事が発生していないことを確認してからドローンを飛ばしてください。」と述べています。

また、カナダ運輸省の声明を受け、アメリカ連邦航空局(Federal Aviation Administration、略称:FAA)の公式Twitterアカウントは、山火事付近でドローンを飛ばすことが禁止されていると再び警告し、その理由を説明するポッドキャストのリンクを貼ってツイートしました。

アメリカ合衆国では、山火事の影響を受けた一部地域でのドローン等のフライトが制限されており、これに違反すると最大20,000ドルの罰金が課せられることになります。ただし、特別な許可を得ている場合を除きます。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

ちなみに、日本での山火事付近でのドローン等のフライトも禁止されています。

発端は、今年の2月に栃木県足利市で起きたヘリの消火活動をドローンが邪魔した事件です。事態を重く捉えた国土交通省は、消防や救助のヘリコプターが飛行する空域での小型無人機・ドローンの飛行を禁じる内容を航空法に追加しました。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

世界的に山火事を撮影するドローンが問題となり、規制が強化されています。山火事をドローンで撮影する行為は、非常に危険であり、また消火活動の邪魔になる可能性があります。ドローンを飛ばす方々は注意してください。

出典:Government of Canada「Operation of Remotely Piloted Aircraft Systems (RPAS) Near Wildfires – Civil Aviation Safety Alert (CASA) No. 2021-11

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