2021年5月14日、産業用ドローンシステムメーカーである株式会社プロドローン(以下:PRODRONE)は、電子認証サービスを展開するGMOグローバルサイン株式会社(以下:GMOグローバルサイン)とドローンの通信セキュリティ強化のための実証実験を開始したことを発表しました。
GMOグローバルサインは、GMOインターネットグループのGMOクラウド株式会社の連結企業群で、PRODRONEとは昨年11月にドローンの社会実装に向け、「通信・制御」のセキュリティ強化における技術供与に関して基本合意を交わしています。
実証実験の取り組みの内容は次の通りです。
ドローンの社会実装にむけた最新のロードマップでは、2022年の目標として小型無人機(ドローン)の有人地帯における目視外飛行(Level4)の実現に向けた環境整備・技術開発の詳細が示されています。
これらの開発要素の中で、ドローンの運用における機体・操作システムの「乗っ取り」や、機体から送られる通信データの「改ざん」「盗聴」など、セキュリティリスクへの対策を大きな課題として認識しています。
今後普及する目視外飛行(Level4)では、ドローンの通信に関するセキュリティリスクへの対策は不可欠な要素であり、それが今回の実証実験への取り組みです。
具体的には、GMOグローバルサインの電子証明書が格納されたセキュリティチップをPRODRONEのドローンに搭載し、ドローンのコントローラー、機体の相互認証と通信の暗号化、またドローンからのデータ送信の秘匿化に関する実証実験を行います。
PRODRONEは、GMOグローバルサインから無償提供される電子証明書とセキュリティ技術に関する幅広い情報や知見を得て、実運用時における機体操作情報、運輸物資情報、取得データ、顧客や課金データなどの秘匿技術の実装を進めます。
「GlobalSign」とは、世に電子認証サービスが登場し始めた初期段階の1996年にベルギーでサービスの提供を開始し、ヨーロッパで初めてWebTrustを取得した認証局です。ベルギー政府関連機関への数多くの実績を持ち、eID(BELPIC)をはじめとするベルギー電子政府プロジェクトの最上位認証局である、ベルギー政府認証局への認証を行っています。2006年にGMOインターネットグループにジョインし、政府レベルのセキュリティを、日本をはじめワールドワイドに販売展開しております。現在では、SSLサーバ証明書をはじめとした2,500万枚の電子証明書発行実績と、政府関連機関や大手企業へ多数の納入実績があります。
eIDとは、ベルギーの電子政府プロジェクトの一環として始まった国民IDカードプロジェクトです。12歳以上のベルギー全国民に対して電子証明書入りのIDカードが配布されています。
また、「CABF(CA/Browser Forum)」、「Anti-Phishing Working Group」に参加し、電子証明書市場のリーディングカンパニーとして積極的な活動を行っています。さらに、2018年5月からは、Adobe社が2016年に設立した電子署名業界および学術界の専門家から構成される国際団体「クラウド署名コンソーシアム」に加盟し、国際的な法規制を遵守したクラウド上の電子署名の実施におけるオープンな標準規格の決定に参加しています。
出典:株式会社プロドローン「ドローンの通信セキュリティ強化のための実証実験を開始 ~GMOグローバルサインのセキュリティ技術で「空」もセキュアに~」