2021年4月5日、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所(以下:港空研)は、株式会社アミューズワンセルフが新たに開発したハイブリッドドローンに搭載したグリーンレーザースキャナを用いることで、効率的に高精細な海底地形を計測できることを実証したと発表しました。
この実証実験は、沖縄県竹富町西表島で行われ、陸上から水深約17m付近までの全長約2.6km、幅1kmの範囲を約4時間で計測し、陸上から浅海域の連続的な地形やサンゴ礁の複雑な地形を取得しました。計測データ(水面と海底の両方を含む)は、平均で約12cm間隔の高密度かつ高さの平均誤差±2cmの高精度な結果となりました。
これまでバッテリー容量の制限から、ドローンのフライト時間は20分程度と短時間なものでした。しかし、今回の実証試験では小川精機株式会社が開発したドローン搭載型発電機(レンジエクステンダー)による給電を行うことで、グリーンレーザースキャナを搭載した状態でも1回2時間以上の長時間フライトを実現しています。
今回、ハイブリッドドローンを用いることで、グリーンレーザースキャナによる高精度な地形計測の効率性が格段に向上し、沿岸域の詳細な地形情報を広範囲に取得可能であることが実証されました。なお、ハイブリッドドローンに搭載したグリーンレーザースキャナでの長時間の海底地形計測は世界初の試みです。
ドローン搭載型のグリーンレーザースキャナによって、これまで船でのアプローチが難しく計測ができなかった砕波帯下の地形やサンゴ礁に特徴的な地形である縁脚縁溝系などが明らかとなり、沿岸地形に関する科学的な発展が大きく期待され、沿岸域の波浪や地形変化予測の精度向上につながることも期待されます。
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国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所「世界初! ハイブリッドドローンに搭載したグリーンレーザースキャナによる長時間の海底地形計測に成功 ~効率的に高精細地形を計測可能に~」