長崎県五島市にて、ドローンの医薬品配送を実施 – ANAHD・武田薬品工業など

長崎県五島市にて、ドローンの医薬品配送を実施 – ANAHD・武田薬品工業など

2021年3月10日、ANAホールディングス株式会社(以下:ANAHD)、武田薬品工業株式会社(以下:武田薬品)、国立大学法人長崎大学、長崎県五島市は、株式会社NTTドコモ、株式会社WorldLink&Company(以下:SkyLink Japan)、株式会社インテグリティ・ヘルスケア、東七株式会社、藤村薬品株式会社とともに、長崎県五島市福江島港エリアから久賀島の内陸に位置する久賀診療所へ、通常定期船と陸路で45分程度かかる行程をWingcopter社製固定翼VTOL型ドローンにより約10分で、処方箋医薬品を配送する実証実験を実施することを発表しました。

久賀島は、人口185世帯305人(令和2年11月末時点、五島市住民台帳より)の長崎県の島です。島全体が世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産となっており、U字型の形状をしています。福江島の対岸に定期船が発着する田ノ浦港があり、福江島から日に5便定期船が通っています。島内には14の集落が点在しており、それぞれ医薬品等の配送等の際には、診療所の職員が港まで荷物を取りに行きます。診療所等へ通う際の島内の陸路移動が、高齢化とともに課題となっています。

Wingcopter社は、ドイツのドローンメーカーです。昨年には同社のドローンの活躍が、世界経済フォーラム(WEF)により、テクノロジーパイオニア(Technology Pioneer)として選手もされました。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

この実証実験は、以下の2つのシナリオで構成されています。

  • シナリオ1:オンライン診療モデル
    患者が自宅でオンライン診療・オンライン服薬指導を受けた後、処方箋医薬品をドローンで自宅へ配送
  • シナリオ2:緊急配送モデル
    医薬品卸から医療機関への緊急配送を想定したドローン配送

この取り組みにより、離島に住む患者が有する通院へのハードル(通院困難等)の地域医療課題解決を目指しています。なお、この実証実験は国土交通省・環境省連携事業「社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業(過疎地域等における無人航空機を活用した物流実用化事業)」に採択されています。

実証実験の概要は以下の通りです。

  • 実施期間:2021年3月22日〜2021年3月26日
  • 飛行区間:長崎県五島市福江島港〜久賀島(片道約16km/直線距離約12km)
  • 運搬物:処方箋医薬品(医薬品)
  • 対象者:住民等
  • 実証内容:インテグリティ・ヘルスケア社が提供するオンライン診療システムであるYaDocQuickを用い、オンライン診療およびオンライン服薬指導を実施。服薬指導に基づく処方箋医薬品のドローン配送の実施(シナリオ1)および医薬品卸による医薬品のドローン配送(シナリオ2)について実証。

出典:ANAホールディングス株式会社公式ホームページ

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