2020年12月17日、双葉電子工業株式会社(以下:双葉電子)とソフトバンク株式会社は、橋梁や鉄塔、建設現場などでの点検をはじめ、測量や災害支援などに活用できる産業向けドローンの共同開発を2020年9月から開始し、プロトタイプ(上記画像参照)の製作が完了したことを、同社の公式ホームページで公開しました。
このドローンは、双葉電子の産業用ドローンをベースとしており、ソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」に対応しています。また、LTE対応の通信モジュールを搭載しています。LTEの利用により、ドローンを遠隔地から飛行制御できる他、撮影した画像や映像をリアルタイムに送信することが可能です。また、「ichimill」を活用することで、誤差数センチメートルの精度で飛行制御でき、空撮した画像の位置情報も高精度化します。
今後両社は、ドローンの機能改良を進めるため、2020年度から21年度にかけて実証実験を行い、ソフトバンクの法人向けドローンサービス「SoraSolution(ソラソリューション)」のサービスラインアップに追加する予定です。また、機体側でAI(人工知能)による解析を行うことで、GPSなどの測位衛星の信号が届かない環境でも完全自動飛行ができるドローンの実現や、5G(第5世代移動通信システム)の実装も視野に入れて研究開発を進めていくとのことです。
このドローンの共同開発の背景には、近年の空撮を利用した点検作業の効率化や、人の目が届きにくい高所作業の代替をはじめ、さまざまな産業でのドローン活用ニーズの増加があります。こうしたニーズの拡大を背景に、ソフトバンクは、自動飛行や自動撮影などに対応したドローンサービス「SoraSolution」を2019年10月から提供しており、今後はサビ検知や差分検知など、AIを活用したデータ解析機能の実装を予定しています。また、双葉電子はカスタマイズ性と耐風性に優れた全天候型の産業用ドローンを提供しています。
現在、鉄道や電力をはじめとするインフラ業界や鉄鋼業界からは、情報管理などの観点から国産ドローンを導入したいという要望が寄せられています。そこでソフトバンクと双葉電子は、両社の技術やノウハウを活用した国産の産業向けドローンの共同開発を開始し、まず機体のプロトタイプを製作したとのことです。
出典元:双葉電子工業株式会社「ソフトバンクと双葉電子が産業向けドローンを共同開発~LTEとセンチメートル級の高精度測位に対応した国産ドローンを開発~」