2020年12月5日、アメリカ合衆国アラバマ州を拠点とする航空宇宙ベンチャー会社Aevumは、人工衛星を低軌道へ投入するためのドローン「Ravn X」を発表しました。
「Ravn X」は、全長およそ18m、高さはおよそ5.5m、重量約25トンという巨大かつ未来的デザインの機体となっています。当然、その大きさは無人機史上、世界最大となっています。
また、ペイロードを約3時間で低軌道へ運べ、ほぼすべての空港の滑走路から離着陸できます。つまり、通常では数年から数ヶ月要する衛星打ち上げのリードタイムを、大幅に短縮できます。
「Ravn X」は2段ロケット式のペイロード機体下面に搭載しています。必要な高度まで上昇すると、1段目をリリースする仕様です。切り離されたロケットは0.5秒ほどで点火して、軌道へペイロードを送り込みます。
その後、「Ravn X」は自動的に飛行場へ帰還し、格納庫に収納されます。Aevumによると、この方式であれば当初は衛星打ち上げ用ロケットの70%、最終的には95%が再利用可能になるとのことです。
この航空機で衛星などのペイロードを上空へ運び、ロケットで軌道へ乗せる方法は、Virgin Galacticが構想していたアイデアと全く同じです。ただし、こちらの構想では人間が搭乗、操縦するものでした。構想は進化を遂げています。
Virgin Galacticの取り組みに関しては、こちらの動画をご覧ください。
「Ravn X」は、まだプロトタイプの試験飛行もされていませんが、すでに米国宇宙軍との間でパートナーシップを結んでいます。ちなみに、最初のミッションは2021年後半になる予定です。
また、米国宇宙軍の組織のひとつであるミサイルシステムセンター超小型衛星打上げ機部門も契約を締結しており、今後9年間で20回以上の打上げミッション競う権限を得ています。
さらに宇宙軍の組織のひとつ宇宙ミサイルシステムセンター超小型衛星打上げ機部門はOrbital Services Program-4(OSP-4)の契約をAebumと結び、向こう9年間で20回以上の打上げミッションを競う権限を得ています。
出典元:Aevum公式ホームページ