カナダ、ナゴルノ・カラバフ戦争のためトルコへのドローン技術輸出停止

カナダ、ナゴルノ・カラバフ戦争のためトルコへのドローン技術輸出停止

2020年10月5日、カナダの政府はトルコへのドローン技術の輸出を一時停止しました。

この背景には、アルメニアとアゼルバイジャンによるナゴルノ・カラバフ自治州を巡る争い「ナゴルノ・カラバフ戦争」があります。トルコはアゼルバイジャンを支援しており、アルメニアはロシアが支援しています。

両国は互いにドローンを戦争に用いており、先日はアルメニア国防省がアゼルバイジャンのドローン撃墜を発表していました。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

実は、カナダの企業は軍事技術を多くの国に輸出している現状があります。カナダ政府としては、これら技術が悪用されるのを良く思っておらず、今回の経緯に至ったようです。

カナダのアルメニア人コミュニティの代表は、トルコへ輸出したドローン技術がアゼルバイジャンへ行き、アルメニア軍に対してカナダ製のレーザーシステムが使用されていることに深刻な懸念を表明しています。

CBCのレポートによると、カナダ製のレーザーシステムとトルコの戦闘用ドローンを掛け合わせることで、ドローンは気象条件に関係なく、また昼夜を問わずターゲットを識別して特定できるとのことです。トルコは人や武器を紛争地帯へ輸出していることを否定していますが、真偽は明らかになっていません。

カナダの外務大臣であるFrancois-Philippe Champagne(フランソワ-フィリップ・シャンパーニュ)氏は、今回の件に関して次のように述べています。

「ここ数日、アルメニアではナゴルノ・カラバフ戦争で使用されているカナダのドローン技術を特定する動きが見られます。この戦争において、カナダのドローン技術が使用されるのはよくありません。ナゴルノ・カラバフ戦争では、多くの民間人の死者が出ています。そのため、一時的にトルコへのドローン技術の輸出を停止しました。」
また、カナダのJustin Trudeau(ジャスティン・トルドー)首相は、カナダの同盟国と進行中の紛争について話し合うため、外務大臣であるFrancois-Philippe Champagne氏はヨーロッパに派遣すると発表しました。

「ナゴルノ・カラバフ戦争」を巡る問題は、世界中へと波紋しています。

出典元:CBC「Canada suspends exports of military drone technology to Turkey

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