火星でNASAの無人ヘリコプターが起動 宇宙環境でのバッテリー充電は初

火星でNASAの無人ヘリコプターが起動 宇宙環境でのバッテリー充電は初

2020年8月7日、NASAの火星ヘリコプター(上記画像参照)はバッテリーを充電し、正常に電源を入れて起動しました。この際、バッテリーは35%まで充電されました。心細いバッテリー残量ですが、低充電状態の方が火星巡航中のバッテリーの状態には最適であるとのことです。宇宙環境でバッテリーが充電された機械が起動するのは、これが初めてになります。

バッテリー充電の様子に関しては、以下の画像をご覧ください。
※2019年10月1日に行われた、真空状態でのバッテリー充電テスト時のものになります。

この大規模な充電器の中央に、火星ヘリコプターあります。火星ヘリコプターには、6つのリチウムイオン電池が搭載されており、35%まで充電するのに8時間を要しています。

火星ヘリコプターの運用責任者を務めるTim Canham(ティム・キャナム)氏は、大きなマイルストーンを達成したと述べています。

また、火星ヘリコプターのプロジェクトマネージャーであるMiMi Aung(ミミ・アウン)氏は、次のように述べています。

「火星ヘリコプターは充電と起動に成功し、現在のところ惑星の過酷な環境に対処しています。今後、別の惑星でこのヘリコプターを試すには、まだまだ課題がありますが、現状には非常に満足しています。このヘリコプターの将来が楽しみです。」

今後、火星ヘリコプターは35%のバッテリー残量で、7ヶ月に及ぶミッションを行っていきます。火星ヘリコプターのミッションは、過去に存在していた微生物の兆候を探し、そのサンプルを回収することです。サンプルの回収に成功すれば、火星の気候や地質を決定付けることができ、今後の探索への道が広がります。火星ヘリコプターのミッションは成功するのか、今後に期待が募ります。

出典元:NASA「NASA’s Ingenuity Mars Helicopter Recharges Its Batteries in Flight

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