芸術VS安全、有名建築物へのアンチドローンアンテナ設置に反発 – ブラジル

芸術VS安全、有名建築物へのアンチドローンアンテナ設置に反発 – ブラジル

現在、ブラジルの国家安全保障局(GSI)は、建築物へのアンチドローンアンテナの設置を進めています。

しかし、この方針にブラジルの国立歴史芸術資産研究所(Iphan)は反対しています。特にブラジルを代表する有名建築家であるOscar Ribeiro de Almeida Niemeyer Soares Filho(オスカー・リベイロ・デ・アルメイダ・ニーマイヤー・ソアーレス・フィーリョ、以下:オスカー・ニーマイヤー)氏の建築物を守る方針を固めており、アンテナの設置は芸術に汚す行為であるとしています。

国家安全保障局の計画では、ブラジル大統領の職場でもあるPalácio do Planalto(プラナルト宮殿)の屋根に20メートルのアンチドローンアンテナ、大統領の住居に10メートルのアンチドローンアンテナ、イスラム圏の人々にとって重要な場所に6メートルのアンチドローンアンテナを設置する予定でした。しかし、この全てが国立歴史芸術資産研究所によって拒否されました。

セキュリティ部門の長官であるLuiz Fernando Estorilho Baganha(ルイス・フェルナンド・エストリリョ・バガンハ)氏は、アンチドローンアンテナの必要性について、次のように述べています。

「大統領の安全は非常に重要であり、大統領の安全を保証することは法律で定められた行為です。そして、これは緊急を要する問題でもあります。不正ドローンの出現は、もはや日常です。このような敵対行為はリスクを生み、スキを突かれる原因にもなります。行政機関のセキュリティ活動は必須なのです。」

また、国立歴史芸術資産研究所は次のように述べています。

オスカー・ニーマイヤーの建築物は、歴史的遺産です。アンチドローンアンテナ設置に伴う外見の変化は、許すことができません。アンテナなどの新たな機器を設置するのであれば、外から見ても分からないようにするべきです。観測者の視点を無視することはできません。」

現在、不正ドローンの増加に伴い、アンチドローン技術は必須となってきています。

ヨーロッパの空港では、アンチドローン技術が配備されることが決まりました。

また、EU諸国では欧州警察連盟がアンチドローン銃を所持しています。

軍においても、不正ドローン対策は今や必須となってきています。

出典元:dezeen「Anti-drone antennas set to be built on top of Oscar Niemeyer palaces in Brasília

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