シリア・アラブ兵がアメリカ軍の偵察ドローンFLIR「Black Hornet」を捕獲

シリア・アラブ兵がアメリカ軍の偵察ドローンFLIR「Black Hornet」を捕獲

2020年7月19日、シリア北東部の町Tal Tamr(タルタムル)で、2人のシリア・アラブ陸軍(SAA)の兵士により超小型の偵察ドローンが捕獲されました。この様子はFacebookやTwitterなどのSNSにて、写真付きで投稿されています。

捕獲されたドローンはFLIR Systems(以下、FLIR)の「Black Hornet(ブラックホーネット)」で、アメリカ軍の使用したドローンではないかと疑われています。

FLIRの「Black Hornet」が米国陸軍で使用されていることは、広く知られています。FLIRと米国陸軍は2,060万ドルで契約を締結しており、これは「Black Hornet」を使用するための契約です。また、「Black Hornet」は米国の他にもオーストラリア、フランス、ドイツを含む19の北大西洋条約機構(NATO)の国々で使用されています。

今回捕獲された「Black Hornet」は、操縦者が監視任務を実行中、ドローンが誤作動またはバッテリーが切れる前に帰還できなかったことが原因だと考えられます。

「Black Hornet」は、FLIRが歩兵用の偵察ドローンとして販売しており、最大飛行時間25分、最大飛行距離は2kmの超小型ドローンです。ほぼ無音でフライトすることができ、赤外線カメラ・HDカメラを搭載、操縦者はライブ映像とHDの静止画を確認できます。

FLIRの「Black Hornet」は、元々はFLIRによって買収されたProx Dynamicsによって作られたドローンでした。買収したFLIRは、同社の誇るカメラ性能により「Black Hornet」を更なる次元に進化させ、超小型の優れた偵察用ドローンになりました。

このFLIRのカメラ技術は、大手ドローンメーカーDJIやParrotの産業機にも使用されています。また、最近ではドローン・ロボットなどのOEMメーカー向けのデュアルセンサーモジュール「FLIR®Hadron™」を発表しました。このカメラを使用することで、新ドローン開発時のコストは大幅に減少します。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

今や優れたドローンが誕生すれば必ず使用されているFLIRの技術、今後も同社の技術開発に注目です。

出典元:
FLIR Systems「Black Hornet製品ページ
Facebook「رجال كتيبة قمة النبي يونس

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