2020年5月、アメリカ海洋大気庁であるNational Oceanic and Atmospheric Administration(以下、NOAA)は、太平洋最北部の海「ベーリング海」に3台の水用ドローンを配置しました。
海に配置されたドローンは、魚の数と北極圏で絶え間なく変化する気象パターンに関するデータを収集するために使用されます。この夏、NOAAは北極圏、太平洋、大西洋にドローンを配置する予定で、今回は配置が初めてとなります。
NOAAの副局長Tim Gallaudet(ティム・ガローデ)氏は、水用ドローンの配置について、次のように述べています。
3つのドローンの1つ目のミッションは、ベーリング海のスケトウダラの数を調査することです。スケトウダラはアメリカ国内で最も価値のある国内魚となっています。研究者たちは、ドローンが2021年の漁獲量を推測するデータを収集することを望んでいます。
2つ目のミッションは、北極圏の嵐をより予測するため、絶え間なく変化する気象パターンのデータを収集することです。配置されるドローンには、世界気象機関であるWorld Meteorological Organization(以下、WMO)の気象観測データの解析を行う世界的な気象通信ネットワーク「全球通信システム(GTS)」にストリーミングする装備が搭載されています。この実験が成功すれば、今後は海に30台のドローンを配置することでハリケーンの予測が可能になる予定です。
3つ目のミッションは、北極圏の海底のマッピングです。このミッションでは、NOAAの技術による海底マップの作成能力をテストします。
これらのミッションは成功するのか?NOAAの今後の取り組みに期待が集まります。
出典元:National Oceanic and Atmospheric Administration「NOAA ramps up use of drones to collect fish, seafloor and weather data」