株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)が、ドローンを活用したビジネスに向け、羽根のないドローンを開発しました。
従来のドローンのようなプロペラを使わず、超音波振動を活用して空中を移動します。
直径は約90cmの飛行船型、最大飛行速度は約20cm/秒、連続飛行時間は約1~2時間です。
詳細を見ていきましょう!
NTTドコモの考えるドローンの問題
ドコモはドローンの問題を「危険」「騒音」「バッテリー」と捉えました。その問題を解決した結果生まれたのが、今回の羽根のないドローンです。ドローンの問題について詳しく見ていきましょう。
ドローンは危険
高速回転するドローンのプロペラは非常に危険です。
野菜やフルーツ程度なら簡単にスライスできるという動画もあります。こちらは古い機種で、現在では多少は改善されていますが、いずれにしても危ないのは間違いありません。
実際、海外では子供にドローンが衝突、プロペラにより眼球がスライスされて失明する悲しい事件も起きています。
ドローンの騒音
ドローンを飛ばしている現場に居合わせた人なら分かりますが、ドローンの騒音は想像以上です。
ドローン業界No1のDJIの代表ドローンPhantomシリーズの場合、70〜80デシベルの騒音があります。具体的には、人間の大きな声、近くで聞くセミの鳴き声、高速走行中の自動車内ほどの音になります。それくらい、ドローンのプロペラの音はノイジーです。
ドローンはバッテリー保ちが悪い
ドローンのバッテリーの持続時間は決して長くありません。
先程例にあげたPhantomシリーズの最新作でも、最大飛行時間は30分程度です。ドローンが社会で活躍するにあたり、この問題が大きいのは間違いありません。
問題を解決する羽根のないドローン
ドコモが問題としていた「危険」「騒音」「バッテリー」を解決したドローンが、羽根のないドローンです。
羽根のないドローンは、ヘリウムガスが充填された風船の浮力によって浮遊します。従来のドローンのように、重い機体をプロペラを高速回転させて浮かすことは必要がなく、バッテリーの持続時間が長いです。
また、超音波振動モジュールによって推進力を生み出し、空中を移動します。超音波振動モジュールを活用することで、飛行時の音は非常に静かです。
羽根のないドローンの仕様
2019年4月17日(水)現在の仕様はこちらです。
直径 | 最大約90cm |
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最大飛行速度 | 約20cm/秒 |
連続飛行時間 | 約1~2時間 |
今後の予定
今後、イベント会場やコンサートホールなどの屋内にて、羽根のないドローンは活躍予定です。空飛ぶ広告になったり、道案内などを行います。
また、機体に搭載されたカメラ映像と画像解析技術を組み合わせることにより、空中からの監視や警備ソリューションの提供を想定しています。
さらに、羽根のないドローンにプロジェクションマッピングをする空間演出ソリューションの提供も検討しています。
直近の展示予定
下記のイベント会場にて、羽根のないドローンが出展予定です。
日時:2019年4月27日(土)
場所:ニコニコ超会議2019内 日本電信電話ミカカランド・NTT超未来研究所6