ACSL、世界2位のドローン・ソリューション・プロバイダーAerodyneに出資

ACSL、世界2位のドローン・ソリューション・プロバイダーAerodyneに出資

2021年5月11日、株式会社自律制御システム研究所(以下:ACSL)が2020年12月に設立したコーポレートベンチャーキャピタル(以下:CVC)は、リアルテックホールディングス株式会社が運営するリアルテックグローバルファンドおよびKOBASHI HOLDINGS株式会社とともに、ドローンサービスプロバイダーランキング世界2位のマレーシアのAerodyne Group(以下:Aerodyne)へ出資することを発表しました。なお、この出資はCVC設立後初めての出資となります。

ACSLは、2020年8月に公表した中期経営方針「ACSL Accelerate 2020」でシナジーを期待した投資を目指したCVCの設立という戦略に加えて、ASEAN進出本格化を戦略の一つとして掲げています。Aerodyneはドローン・ソリューション・プロバイダーとして35ケ国以上でサービスを展開しており、シナジー効果が期待できるため、出資することを決定したとのことです。

インドの調査会社The INSIGHT Partnersによると、2018年に約700億円だったドローンサービス市場は、2027年までに約2.7兆円に到達します。特にインフラ、農業や物流等の産業においては、マニュアル作業の割合が依然として高く、作業人員不足や危険業務に伴う様々な課題が挙げられてきました。

Aerodyneは2014年の設立以降、ドローンを活用し、より迅速・低コスト・高品質・安全にインフラの点検・モニタリングを実施できるサービスを展開してきました。このサービスは、FORTUNE Global 500に選出されている石油会社Pertronasや東南アジア最大の上場電力会社Tenaga National Berhadを始め、様々な業界を代表するインフラ企業に導入されています。

上述の既存事業強化に加え、Aerodyneは新たに農業分野への進出を本格化しています。東南アジアでは、コメ・パーム・パイナップル等のプランテーション型農業が一大産業となっていますが、労働集約的で環境負荷が高い農法となっているケースが多く、その効率化のポテンシャルは大きいとされています。Aerodyneはドローンを活用して農作物の健康状態や収穫量をモニタリングすることにより、データを活用した精密農業を実現できるサービス構築を目指しています。既にマレーシアの最大手農場保有企業複数社との実証実験を開始しており、2022年以降にはインド、インドネシア、タイにも展開予定です。

また、ACSLとAerodyneの日本法人であるエアロダインジャパン株式会社(以下:エアロダインジャパン)は2020年11月に、法整備が進む有人地帯上空での目視外飛行(Level 4)を見据え、連続飛行試験が実施できる体制をASEANにて構築する連携を開始しています。

Level 4環境下での飛行を実現するためには、十分な飛行時間やリスクレベル評価、安全性・信頼性を示すための基礎データが重要になるため、ACSLの産業用ドローンACSL-PF2及びMiniについて、1,000時間にもおよぶマレーシアでの連続飛行試験を12月より実施しています。

ACSLは、今回の出資を通して、ASEANへの進出を加速させていくとのことです。

出典:株式会社自律制御システム研究所「ACSL、CVCで世界2位のドローン・ソリューション・プロバイダーAerodyne社に出資を決定

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